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J3へのセカンドチーム参戦を考える。
育成ルート多様化と、ベテラン問題。 

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飯尾篤史

飯尾篤史Atsushi Iio

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photograph byJ.LEAGUE PHOTOS

posted2015/12/30 11:30

J3へのセカンドチーム参戦を考える。育成ルート多様化と、ベテラン問題。<Number Web> photograph by J.LEAGUE PHOTOS

U-22選抜はJ3で13クラブ中12位に沈んだ。低迷が続く若年世代の育成へ向け、試行錯誤は続く。

2016年からは、下部チームのJ3参戦が開始。

「まずはやってみる」という体で実験的にスタートしたこのチャレンジだが、結論から言えば、思い描いたような効果は得られなかった印象だ。

 たった1日の練習だけで試合に臨み、メンバーも試合ごとに変わるため、チームとしての継続的な強化も、チーム・個人の課題克服も、選手間の連係を磨くこともままならない。また、この試合でのパフォーマンスがU-22日本代表への選出や、所属チームでの出場機会増に直接的につながらず、選手のモチベーションも上がりにくい状況だった。

 そうした反省を踏まえて来シーズンからスタートするのが、スペインやドイツでも行なわれているセカンドチームの下部リーグへの参戦、「U-23チーム」のJ3参加である。村井満Jリーグチェアマンはこんな風に説明している。

「(U-22選抜では」直前までチーム編成が決まらず、13人しか集まらないこともあった。寄せ集めゆえにチーム戦術が徹底されず、戦うマインドも熟成されにくかった。そうした問題を補う意味で、単独チームで戦う機会を増やそうということになったんです」

 締め切りに設定されていた11月末までに参加を申請したのは、前述のFC東京、ガンバ大阪、セレッソ大阪、そしてサガン鳥栖の4チームだったが、ヒアリングの結果、鳥栖に関しては、今回は難しいとの判断を下したという。

「チェアマンヒアリングという形で合計4クラブ、鳥栖も含めてインタビューさせてもらいました。鳥栖さんの、市民クラブとして若手を育てたいという熱意や意欲は感じましたし、チャレンジしてもらうのもいいな、とも思ったのですが、こればかりは相手があるものですので、若手の保有状況だとか一定の投資だとか、複合的な要素から総合的に難しいだろうと判断しました」

トップ/U-23を行き来して出場機会を増やす。

 U-23チームのJ3リーグ参加に関して、26項目の決定事項が発表されたが、主なところでは次のようなものがある。

・年齢制限:23歳以下の選手で構成する。ただし、試合エントリーメンバーのうち3名のオーバーエイジを認める。また、GKに限り、追加で1名のオーバーエイジを認める。

・同日の試合出場:トップ/U-23の試合でベンチ入りのみならば、同日に別の試合に出場可。1分でもプレーしたら、同日に別のチームでは出場不可。

・U-23の監督:トップの監督との兼務は不可。トップ(またはアカデミー)のコーチとの兼務は可。S級ライセンス資格が必要。

・チーム数:U-23チームの参加数は、J3クラブ総数の3分の1を上限の目安とする。

・昇格=J2リーグへの昇格資格を有しない。U-23チームが上位となった場合、次順位のクラブを繰り上げる。

・U-23チームの入れ替え:17シーズン以降、U-23チームへの参入希望クラブ数が、J3クラブ総数の3分の1以上になった場合、成績下位のU-23チームとの入れ替えを実施する。

【次ページ】 監督を育てるためにも、実戦の場数が必要。

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