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スマイルジャパンに現れた18歳FW。
床秦留可は世界7位をもたらすか。
posted2015/03/26 10:30
text by
小川勝Masaru Ogawa
photograph by
AFLO
アイスホッケー女子日本代表「スマイルジャパン」が、3年後の平昌五輪に向けたファーストステップに挑む。
世界選手権トップディビジョンが3月28日から4月4日まで、スウェーデン・マルメで開催されるのだ。日本がトップディビジョンでプレーするのは6年ぶり。世界の上位8カ国で戦われるこの大会で、どのような成績を残せるか。これが、ソチ五輪以上に厳しい平昌五輪の出場権獲得に向けて、重要になる。
スマイルジャパンの主将・大澤ちほは、かねてから「世界選手権は、平昌五輪にも関係してくる。平昌に向けての大会にしたい」と語っており、選手たちは3年後を明確に意識して大会に挑む。
今回の代表メンバー22人は、昨年11月の世界選手権トップディビジョン予選(新横浜スケートセンター)のメンバーを基本にしているが、故障者などもあって3人が入れ替わった。最年長は久保英恵の32歳から、最年少は18歳になったばかりの床秦留可(とこ はるか)まで、ベテラン、中堅、若手のバランスが取れたチーム構成になっている。
世界ランキング8位と7位の大きな差。
平昌五輪の出場権に関するフォーマットは、3月10日に国際アイスホッケー連盟から発表された。
女子の出場国は全8カ国で、2016年夏時点での世界ランキングで、5位以内の国は自動的に出場が決まる。日本の世界ランキングは現在8位。スマイルジャパンの第一の目標は、この「5位以内」を目指すことだ。
しかしこれは、今後大きくランキングを上げるチャンスが今年と来年の世界選手権、この2回しかないことを考えると、あまり可能性は高くない。
だが、7位は十分に狙える。ランキングを7位に上げることには大きな意味がある。というのも、7位のチームには、世界最終予選を自国で開催する権利が与えられるからだ。
ソチ五輪の世界最終予選の時、日本は世界ランキング10位で、自国開催ができなかった。それでもノルウェー(11位)とデンマーク(17位)に勝って五輪切符を取ることはできたが、平昌五輪に向けて、世界最終予選に出場する国のレベルがより上がることが予想されている。なんとしても自国開催を実現したいところなのである。