オリンピックへの道BACK NUMBER
ソチ五輪5位から、世界選手権で6位。
カーリング女子が強調する“収穫”。
posted2015/03/29 10:35
text by
松原孝臣Takaomi Matsubara
photograph by
AFLO
課題と収穫のあった大会だった。
3月14日から22日まで、札幌・月寒体育館で行なわれたカーリング世界選手権。連日多くの観客が会場に足を運び盛り上がりを見せる中、日本代表として出場した北海道銀行フォルティウスは、参加12チーム中6位の成績を残した。
初戦で前回の世界選手権優勝国スイスに3-5で敗れたフォルティウスだったが、大会2日目に行なわれた2試合で大きな勝利をあげる。ソチ五輪銀メダルのスウェーデンに6-5、ソチでは「イギリス」として出場して銅メダルのスコットランドに9-7と連勝したのだ。
その後は出入りの激しい試合が続いた。翌日はショットの正確性にやや苦しみながらも連勝したが、17日はアメリカとロシアに連敗。残りの4試合を2勝2敗とし、通算6勝5敗で大会を終えた。
序盤の好調から一転、中盤以降の戦いで勢いに乗り切れなかった原因の1つに、アイスへの対応の難しさがあった。
今回の会場は、体育館にあつらえたもの。カーリング専用の会場ではないため、ちょっとした外の空気の出入りなどの影響を受けやすく、予想以上に滑らないケースが度々見られた。
初めて経験する連戦に、日々体力を削られ……。
もう1つの問題は、長丁場を戦うための体力だった。
大会を終えたあと、アメリカ戦で涙を見せたサードの吉村紗也香は言った。
「11試合でどんどん疲れてくる中で、ショットを決めなければいけないのにミスをしてしまった。体力面を強化しなければいけないと思いました」
セカンドの小野寺佳歩もこう語る。
「1日2試合ずつやっていく体力がなくて、ショットのぶれやミスが多くなってしまいました」
2人にとっては、今回が初めて出場する世界選手権だった。
慣れないアイスに加え、体力的にも厳しい環境、そして地元北海道での開催から来るプレッシャーもあったのだろう。それらもまた、消耗につながった可能性が高い。