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スマイルジャパンに現れた18歳FW。
床秦留可は世界7位をもたらすか。
text by
小川勝Masaru Ogawa
photograph byAFLO
posted2015/03/26 10:30
姉・床亜矢可(右)と、妹・秦留可の床姉妹。五輪出場のまさにボーダーライン上にいる日本代表にとって、姉妹の活躍が命運を握る可能性がある。
韓国開催ゆえ、出場国争いが1つ分厳しくなっている。
なぜ、世界最終予選のレベルが上がるのか。これには、はっきりした理由がある。ソチ五輪の時は、開催国のロシアが当時世界ランキング4位で、開催国でありながら、自動的に出場権が獲得できるポジションに位置していた。その結果、世界ランキングで6位までのチームが自動的に出場権を獲得、世界最終予選には7位以下のチームが出場することになったのである。
しかし平昌五輪では、開催国の韓国は現在世界ランキング24位。自動的に出場権を獲得できるのは世界ランキング5位までになる。ということは、世界ランキング6位のチームも、世界最終予選に出場してくることになる。それだけ世界最終予選のレベルは上がるわけで、どの国も、自国開催というアドバンテージが欲しいところなのだ。
チームに加わった、18歳の期待のFW。
スマイルジャパンが世界ランキングを現在の8位から7位へと上げるには、今回の世界選手権で、少なくとも1勝は挙げて、8チーム中7位以上になる必要がある。トップディビジョンでの1勝は容易ではない。トップディビジョンにおける日本の過去最高成績は、2008年の7位(1勝3敗)。今回、予選リーグでの対戦予定は次のようになっている。
3月28日 スウェーデン(5位)
29日 ドイツ (7位)
31日 スイス (3位)
カッコ内の順位は世界ランキングだ。
日本は1年前のソチ五輪で、スウェーデンに0-1で敗戦、ドイツとは予選リーグと順位決定戦の2度対戦して0-4、2-3で、2試合とも敗れている。スイスはソチ五輪の銅メダルチームだから、日本とはかなりレベルが違う。勝利を狙えるのは、スウェーデン戦、ドイツ戦ということになるだろう。
今回のメンバーには、ソチ五輪には出ていなかった選手の中から、チームの新たな有力選手となっていくに違いない若手選手が加わった。3月16日で18歳になったばかりのFW床秦留可である。ソチ五輪でDFの中心的な存在だった床亜矢可の妹で、かねてから代表候補に挙がっていた期待の選手だ。