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ワールドシリーズ、戦力を徹底比較。
上原浩治の右腕に世界一がかかる!
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生島淳Jun Ikushima
photograph byAP/AFLO
posted2013/10/23 11:30
![ワールドシリーズ、戦力を徹底比較。上原浩治の右腕に世界一がかかる! <Number Web> photograph by AP/AFLO](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/9/2/700/img_92a2153b11e85fd770498ac52afb79dc347963.jpg)
ワールドシリーズに臨むにあたり「ここまできたら特別なことを考えるのではなく、やるしかない。気持ちで負けることなく、やっていきたい」とコメントした上原。
上原浩治がリーグ・チャンピオンシップ・シリーズでMVPを獲得したことで、レッドソックスとカージナルスのワールドシリーズに日本でも大いに注目が集まっている。
もう、シリーズが始まる木曜の朝(日本時間)が待ちきれない。
ただ待っていても仕方がないので、両軍の戦力分析をしてその日を待っているのだが、本当に戦力が整ったチーム同士の対戦という印象だ。
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具体的にどんな「キャラクター」を持ったチームなのか、見ていくことにしよう。
今季のレッドソックスは圧倒的な打撃力が魅力!
“From the Worst to the First”
最下位からトップへ。
この言葉が今季のレッドソックスを端的に表している。
戦力がそれなりに入れ替わったとはいえ、昨季の監督は何をしていたんだ――。そんな声が聞こえてくる。バレンタインとチームの相性が悪かったのだ。
今季のレッドソックスの特徴は、「あごひげ」だ。
ナポリ、ゴームズといった面々がたっぷりとひげを伸ばし、ワイルドな印象を醸し出している。彼らが本塁打を放つと、みんなダグアウトでひげを引っ張る。
6月に取材でボストンを訪れた時も、試合前、試合後のクラブハウスの雰囲気は活気があって非常に好ましかった。
今季のレッドソックスの強みは、なんといっても打力。チーム打撃のカテゴリーで、以下の項目で今季のメジャーリーグでトップの数字を残している。
●得点
●二塁打(そびえ立つレフトフェンス“グリーンモンスター”の影響アリ)
●出塁率
●OPS(出塁率+長打率)
データでの優位性を見ると、今季のチームは我慢強く(出塁率が高いのは四球をしっかりと選ぶから)、爆発力があるのが分かる。
リーグ優勝を決めたタイガースとの第6戦では、7回に新人のボガーツが四球を選んで相手エースのシャーザーを降板させ、続くエルズベリーが相手エラーで満塁とチャンスを膨らませたところで、2番のビクトリーノが逆転満塁弾をたたきこんだ。