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「絶対王者なきJリーグ」の見方とは?
群雄割拠極まる2013年を大胆予測!
text by
細江克弥Katsuya Hosoe
photograph byDaiju Kitamura/AFLO
posted2013/03/01 10:30
2月23日、ゼロックススーパー杯。1-0で柏レイソルを破った広島。目立った補強を行なわず2013年シーズンに臨む前年王者は、ACLとJリーグという過酷な戦いを乗り切ることができるのか。
安定感を増してきた大宮は東慶悟の放出で“3”に分類。
彼らに続く2つ目のグループは、タイトル獲得は難しいものの、上手くいけば上位、そうでなければ下位低迷の危うさも感じさせる“カテゴリー2”である。
これも事前に言い訳を考えてしまいたいほど予想が難しいが、個人的には、名古屋グランパス、横浜F・マリノス、ジュビロ磐田、サガン鳥栖、セレッソ大阪、清水エスパルス、川崎フロンターレ、FC東京の計8クラブがこのカテゴリーに属すると考えている。
従って、残留争いを繰り広げると予想する“カテゴリー3”は、大宮アルディージャ、アルビレックス新潟、ヴァンフォーレ甲府、湘南ベルマーレ、大分トリニータの5クラブ。ベルデニック体制2年目で安定感を増してきた大宮の評価は分かれるところだが、絶対的な司令塔として君臨していた東慶悟の放出をマイナスと見て“3”に分類した。
鳥栖は、“2年目のジンクス”をいかに克服するか。
いずれにも共通する“カテゴリー脱出”のカギは、昨シーズンのサガン鳥栖が示した現実的で揺るぎないチームスタイルの確立にある。
近年は常に上位争いを演じてきた名古屋、リーグ屈指の守備力を誇る横浜FM、柿谷曜一朗を筆頭に進境著しいヤングタレントが顔を並べるC大阪が“カテゴリー1”と同等の戦力を有していることは間違いない。しかし名古屋には攻撃ならケネディ、守備なら田中マルクス闘莉王の能力に頼りすぎる傾向があり、小野裕二を放出した横浜FMには決定力不足の懸念が、C大阪には残留争いに巻き込まれた昨シーズンのような不安定さがある。
近年着実にチーム力を取り戻しつつある磐田は、前田遼一、駒野友一、伊野波雅彦と3人もの代表選手を抱えていることがネガティブに作用する可能性があり、清水は大前元紀の抜けた穴をいかにして埋めるかが課題。川崎Fと東京は爆発力こそあるが戦力の入れ替えが多く、完成度は未知数だ。各クラブが昨シーズンの戦い方を踏まえて対策を練るであろう鳥栖は、“2年目のジンクス”をいかに克服するかがポイントとなる。