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歳末のアメ横、浅草、舎人ライナー!?
東京東半分、行き当たりばったり紀行。 

text by

疋田智

疋田智Satoshi Hikita

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photograph bySatoshi Hikita

posted2011/12/28 06:00

歳末のアメ横、浅草、舎人ライナー!?東京東半分、行き当たりばったり紀行。<Number Web> photograph by Satoshi Hikita

舎人ライナーはゆりかもめ同様、新交通システムなので、運転席が無人。ということで、一番前の席に愛車と共に座ってみた!

舎人ライナーの高架から望む、冬の足立区。

 最前席、つまり本来ならば運転手が座るような席に座った。目の前には、まだ真新しいコンクリートが続いていく。

 このあたり、お台場のゆりかもめと同族だ。

 平日昼間ということもあって、乗客はまばらだ。車両の大きさは、電車というよりも、電車とバスのちょうど中間というくらい。それが足立区の上空をしずしずと進んでいく。

 西日暮里を過ぎると、次の駅名が「赤土小学校前」。わはは、駅名がいきなりバス停っぽい。

 その後も、熊野前、足立小台、と都電荒川線(いわゆるチンチン電車)っぽいテイストの名前が続き、その後は、扇大橋、高野、江北と、どんどん窓の外の視界が開けていく。というか、外の建物の背が低くなっていく。

 目立つのは、都営団地と、中古車屋と、おや、畑。とにかく「まだ都市化してないな」という感じの風景となる。

通常の鉄道と違って鉄のレールが無い新交通システムの路面。車窓風景は……高層ビルの無い風景がどこまでも広がる感じである。見え隠れする畑は、ここが都内ということを忘れさせる趣アリ

 それもそのはず、このあたり舎人ライナーが通る前は、電車もなく、これといって目立つ施設もなく、要するに東京の中で一番最後まで放っておかれた地域だったから。

 駅名のひとつ「扇大橋」という場所もね。かつては最寄りの駅が西日暮里だった。以前、新築マンションの広告を見て、驚いたことがあったもの。最寄りの駅は、西日暮里(腐っても山手線だ)なのに、トンデモなく安い。

 で、チラシをよくよく見ると、西日暮里からバス30分とか書いてある。そりゃ「最寄りが西日暮里」とは言えないよ、と思ったもんだ。

 それも今となっては昔。今となっては舎人ライナー・扇大橋駅が堂々最寄りの駅だろう。もしかしてあのマンションの中古価格、新築のあの頃より上がったりしているのだろうか。

 車内のガラス越し、冬の日差しにぽかぽかと照らされながら、ちょっとうとうとした頃に、だだっ広い足立平野の向こうから、何やら緑地が近づいてくる。

 それが舎人公園、そして、見沼代親水公園だ。その見沼代が終点。

 さあ、電車を降りよう。

 で、今きた路線をそのまま自転車で戻るぞ。いったい何のためにここまで来たのやら。

ここからならば都心部の会社まで毎日自転車で通える!!

 舎人ライナーは、基本的に尾久橋通りの真上をずーっと日暮里駅まで走ってる。だから、帰りも単純で、尾久橋通りを逆方向にまっすぐ行くだけだ。

 電車に乗っていたときから気づいていたんだけど、この舎人ライナー、実は駅間が非常に短い。見通しがいいところでは、駅から次の駅が見えるくらいだ。

 だから、自転車で走ってもスピーディに行けるのではないかと思っていたら、本当にその通りで、速い速い。おまけに信号の繋がりも良好だ。

 谷在家、西新井大師西、江北……、と、次々に駅が後ろにぶっ飛んでいき、あれまあれまといううちに扇大橋を渡り、あとは都心まで一直線だ。

 これ、自転車通勤にピッタリな路線ではないのか。

都心へ向けてずーっと一直線に高架下の道が伸びる。高架の脇に屋根を付ければ……模範となるような首都圏の自転車通勤エリアが生まれると思うのだが

 まっすぐスピーディに自転車を飛ばすことができ、何かあったら(雨やパンクなどのことですね)最寄りの駅まで歩いて、そのまま舎人ライナーに乗れる。

 実はアムステルダムの郊外電車ってのが、だいたいこんな感じで、高架がずーっと上空を通っていて、その下を自転車がバンバン疾走している。

 で、電車に乗ってみると、すごく郊外からやってきた人や、何らかの理由で自転車に乗り続けてられない人が、自転車ごと電車に乗ってるわけだ。電車内に自転車、車外には大量自転車。それが上下に分かれてる。アムステルダムってそうだった。

 この尾久橋通りに、オランダ型の自転車レーンが敷かれたならば、ここはアムステルダムそっくりになれるのではあるまいか。そう思うと、尾久橋通り、スペースに余裕がありそうだし、自転車レーンを敷設する余地もありそうだぞ。

 おまけにこの舎人ライナーの高架脇にでも、ちょいとアクリル製の透明屋根でも付ければ、雨の日だってへいちゃらになる。

 計ってみたら終点、見沼代から、西日暮里までわずか25分。上野までだって35分程度だった。日本橋、大手町あたりまで行っても、45分がいいところだ。

 舎人周辺の不動産価格は、2008年の開通時をピークにして、今、けっこう下がっているのだそうだ。

 これからの自転車化を睨むなら(本当にそんな未来がくるとすれば)この周辺に住んで、神田あたりに自転車通勤、なんてのも、ちょいとイキな感じかもしれないよ。

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