高   いやあ、寒いね～。これだけ冷え込むと、打ち合わせや取材で外出するのが辛いなぁ。カメラマンとかデザイナーとか、事務所まで来てくれないかな!?

奥山   そんな弱気な発言してないで、真冬のランナーを見習って、元気出して行きましょうよ。早朝から深夜まで、事務所近くの皇居はランナーで大賑わいですよ。

高   そうそう、さっきも銀座方面から皇居沿いを自転車で帰ってきたんだけど、お昼休みだったせいか結構走っているんだよな。びっくりしちゃったぜ。ま、さすがにみんな防寒ウェアを着込んでいたけどね。それにしても、このランニングブームは、相変わらず衰えを見せないね～。アフター5なんて、渋滞とまでいかないけど、皇居一周がほぼ数珠つなぎで走っているもんな。

奥山   「世の中が不況だとアウトドア＆スポーツが流行る」という定説がありますが、シューズ一足あれば楽しめるランニングなんて、その象徴と言えますね。皇居ランが人気なのは、アクセスが便利で信号もなく、距離が1周5kmと適当だし、それに適度なアップダウンがあるからでしょう。警備のお巡りさんもいるから、女性ランナーにとっては安全ですしね。かくいう僕もここ最近、体力アップのためにランニングを再開したんですよ。

高   とか言っても、結局は“ブーム”なだけだろ!?　みんなサ、「ランニングしてるオレってカッコいい」とか「走っているワタシが好き」とか……。

奥山   いやいや、みんな結構本格的に走っていますよ。1km5分、12.0km/hペース、3時間30分前後で完走すれば、本格ランナーの仲間入りです。以前、熱中症でぶっ倒れた僕も、密かに「東京マラソン」リベンジを狙ってますから。

高   そんな具体的なペースを、どうやって計るの？　コーチもいないし、そもそも1周400mのトラックじゃないんだから、ペースなんて計りようがないじゃん！  俺が中学生のときの陸上部では、監督が1周毎にタイムを大声で読み上げてたっけ……それくらい大変なんだぜ。

オシャレな時計だけど、本格的な多機能タイプには負けるでしょ？

奥山   だ～か～ら、ちゃんと腕を見てくださいって！  皇居ランナーのみなさんも、ご多分に洩れず多機能スポーツウォッチをはめてるじゃないですか。例えばスントなんて、ここ最近大人気で、売れ筋のモデルはショップでも品薄が続いてるって話ですよ。

高   そ～なの？  でも、スントってランニングでマジで使うっていうよりは、カジュアルファッションのアイテムとして、バカ売れしているって聞いていたような気が……だいたい、スペックはど～なのよ？

奥山   スントは、そのデザインで多くのファッション関係者たちに人気なのは間違いないです。でもね、従来の日本製やアメリカ製の多機能スポーツウォッチって、機能を優先するあまり、見た目がイマイチっていうのが多かったんですよ。操作しやすくするためにやたらとベゼルやボタンを大きくしたり、機能が増えたせいでボタンの数が増えたり……。ところがスントは機能とデザインをトータルでまとめることに成功した、と。そのスマートでクールなフォルムがファッション関係者たちの琴線を刺激したわけです。そして、2007年にデビューした「スント コア」を某月刊誌と人気セレクトショップが煽ったおかげで、一大ブームを巻き起こしたんですね。

スント・クエストの「ランニングパック」に含まれるモノたち。心拍計測ベルト（上）、フットPODミニ（左下）、ムーヴスティックミニ（右下）  

高   ほら見ろ！　結局、みんな“ファッション”なんだよ。

奥山   でもね、プロユースやミルスペックのアイテムを普段使いにするというのは、今に始まったことじゃないでしょう。本格的な機能を搭載したアイテムをコーディネートに取り入れるのは、アウトドアファッションやミリタリーファッションの基本でしょ。そういう高さんだって、狩猟用の「マッキノー クルーザージャケット」を持ってるくせに、しかもダブル仕様を（笑）。まぁ、そういうファッション的な人気の一方で、スントはアスリートたちの間では優れた機能と、使いやすさで支持されているんですよ。

高   ほんと？  例えば？

奥山   僕は必ず心拍計測ベルト（デュアルベルト）を胸に巻いて、歩数と歩幅から距離を計測するセンサー（フットPODミニ）をシューズに装着してから走るようにしてます。走り出すとセンサーが心拍やピッチを感知し、走行状況や身体の具合を、リアルタイムで計測・表示してくれるんです。トレーニングモードでは心拍数やトレーニング時間、消費カロリーなどに加え、ランニングモードに切り替えるとペースや距離、平均ピッチなどもわかるんですよ。

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