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「優勝確率99%…正直この補強はやりすぎ」“古巣”ドジャースに山下大輔が本音…日本での開幕をどう見たか?「それでも“ドジャースらしさ”はあった」 

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曹宇鉉

曹宇鉉Uhyon Cho

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posted2025/03/24 18:05

「優勝確率99%…正直この補強はやりすぎ」“古巣”ドジャースに山下大輔が本音…日本での開幕をどう見たか?「それでも“ドジャースらしさ”はあった」<Number Web> photograph by KYODO

2009年3月、ドジャース傘下のマイナーキャンプで指導にあたる山下大輔氏。ドジャースとの縁はその後も続いている

開幕2試合で感じた「ドジャースらしさ」

――こういった大型補強は、ドジャースよりもむしろヤンキースがやるようなイメージがあります。

山下 もちろんヤンキースにはヤンキースの魅力があるんですけども。そのヤンキースにしても、本当に強かったのはコア4(デレク・ジーター、アンディ・ペティット、ホルヘ・ポサダ、マリアノ・リベラの生え抜き4選手)がいた時期。ドジャースが「これでもか、これでもか」と選手をかき集めているのを見ると、「なんかちょっと違うな」という印象を受けます。僕は育成の部分でドジャースに関わった(2015年の首位打者ディー・ゴードンをマイナー時代に指導)ので、生え抜きの選手がマイナーから力をつけていってチームが強くなるところを見たい気持ちはある。とはいえ、ムーキー・ベッツとフレディ・フリーマンを欠いた状態で連勝した開幕2試合は、ある意味でドジャースらしい勝ち方だったなと感じました。

――山下さんが感じた「ドジャースらしさ」とはどんなところですか?

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山下 まず第1戦の先発の山本由伸がいい仕事をしました。第2戦の佐々木朗希も、苦労しましたがリードしたまま後ろにつないだ。野手が点を取るべきところで取って、投手陣は先発からリリーフにつないで、守りも含めてチームワーク、チームプレイで勝つというのがドジャースの伝統。投打のバランスがよく、ベッツとフリーマンを欠いてもチーム力で勝てた。まだ仕上がり途上の開幕でしたが、そういう面を見せてくれたのはよかったと思います。

「MLBのビジネス的な色合いが濃かった」

――山本は72球、佐々木は56球、カブスの今永昇太も69球でマウンドを降りました。それも仕上がり途上ゆえでしょうか。

山下 それは間違いないですね。100球投げる感じではまったくなかった。野手もそうですが、開幕戦にピークを合わせることは絶対にない。日本での開幕戦ですから、日本人選手は「なんとかいい状態で」と早めの準備はしていたかもしれません。それでも時期としてはまだこれから作っていく段階です。基本的にはオープン戦の感覚に近いコンディションだったと思います。今回の試合を公式戦の2試合に数えるというのは、やはりMLBのビジネス的な色合いが濃かったんじゃないかな、と。

――なるほど。そういった状況のなか、山本、今永が好投を披露した一方で、佐々木は5四球と乱れて制球面に不安を残す内容となりました。メジャー初登板の率直な印象を聞かせていただけますか?

後編へ続く>

#2に続く
ドジャース佐々木朗希の乱調「まだ未完成…先発ローテはしんどい」NHK解説者が語る“山本由伸、今永昇太との違い”とは?「2回、3回でバテていた」

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