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「反スポーツ的行為」黒田監督発言に賛否のJ1天王山、本質は“タオル問題”ではなく…カメラマンが広島で見た“異変”「あの黒田監督が…」

posted2024/10/02 17:49

 
「反スポーツ的行為」黒田監督発言に賛否のJ1天王山、本質は“タオル問題”ではなく…カメラマンが広島で見た“異変”「あの黒田監督が…」<Number Web> photograph by Masashi Hara

9月28日のJ1第28節、FC町田ゼルビアの黒田剛監督はもどかしそうに両手を上げる。写真奥はサンフレッチェ広島のミヒャエル・スキッベ監督

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原壮史

原壮史Masashi Hara

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Masashi Hara

 ともに38試合中31試合を消化して勝ち点は59。加えて、リーグ最多得点とリーグ最小失点の対決。J1リーグ第32節、サンフレッチェ広島とFC町田ゼルビアによる天王山は、ホームの広島が圧巻の勝負強さを見せ2-0で完勝。新スタジアム、エディオンピースウイング広島初年度でのシャーレ獲得に大きく前進した。

4月の対戦では“真っ向勝負”で敗れた町田

 両チームのファーストコンタクトは4月3日のことだった。J1初挑戦ながら首位を走っていた町田がミッドウィーク開催の雨のホームに同じく無敗の広島を迎えた一戦は、広島が2-1で勝利。町田に今季初黒星がついた。

 4月の試合では広島のクオリティの高さが町田を凌駕した。それまでの試合で、町田は強烈なプレスからサイドの奥のスペースへと縦のロングボールを入れて勢いづき、個で勝敗が分かれる局面やゴール前の混戦を積極的に作り出していく戦い方で勝ち点を積み上げていた。しかし、広島は少ないタッチ数かつ洗練されたポジショニングの巧みさでプレスをいなすと、連動した攻撃で町田を押し込み続けて2ゴールを奪取。2点差になってからは町田がパワープレーに切り替えて1点を返したものの、「技術面も戦術面も我々が主導権を握れた」とミヒャエル・スキッベ監督が手応えを口にする試合となった。

 一方で、町田の強さは春先のサプライズにとどまることはないだろう、と感じさせた試合でもあった。黒田剛監督が「球際や切り替えといった、相手が得意としている面で真っ向勝負を挑んだ」と振り返ったように、両チームの強みは共通した部分が多く、その部分で広島に一日の長があるのは戦前から明らかだった。

 しかし、町田は初めから割り切って戦うのではなく、自分たちの戦い方を継続。チャレンジャーとして、広島の土俵で対峙することを選んだ。結果は広島の完勝となったが、同じように球際の激しさで町田を上回って勝てそうなチームがJ1にどれだけいるのか。プレスとフィジカルを土台に昨季のJ1を制した王者・ヴィッセル神戸こそ思い浮かぶものの、他にはパッと出てこない。

【次ページ】 「悪役」のイメージ先行も…町田の“明確な強さ”

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