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三笘薫を追いかける存在に…“代表10戦8発”中村敬斗23歳の決定力だけではない進化とは?「フランスで1対1を…」「縦突破してクロスは絶対必要」
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byJIJI PRESS
posted2024/06/13 17:01
ミャンマー戦、シリア戦と2試合連続で先発し、計2ゴール1アシストをマークした中村敬斗(23歳)。三笘薫を追う存在として存在感を高めている
「そんなに苦ではない」ウイングバックにも適応中
ディフェンスも悪くなかっただろう。縦への推進力を保ちながら、背後のスペースを意識した。
「上下動はマストですし、自チームの(スタッド・)ランスでウイングながら最終ラインへ戻ることが多々あるので、そんなに苦ではないですね。今日に関しては一発で裏を取られなければ、そんなに危ないシーンにはならないので、裏のところは警戒して。裏を取られることがなかったので、そこはひとつ収穫かなと。あとは、前でつぶすというのは、普段なかなかやる場面が少ないので、前でつぶす意識はまだちょっと足りない。そういうところはもっとやっていきたいです」
落ち着いた口調に、手応えがにじんでいる。
「ウイングバックなので守備のタスクはありますけど、攻撃のところは自分の特徴を出すというのがある。高い位置で張った時に、受けた時に、やっぱり仕掛ける意識はある。その1対1の部分をフランスリーグで磨いてきたつもりなので、この2試合で出せてよかったですね」
アジアカップの教訓「縦突破してクロスは絶対必要」
心に刻んでいる記憶がある。1月のアジアカップだ。
ケガからの復帰途上にあった三笘薫がスタメンから外れているなかで、中村はグループステージ初戦から2列目左サイドを担ってきた。しかし、イランとの準々決勝では前田大然にスタメンを譲り、ピッチに立つことのないまま試合終了の笛を聞く。チームは逆転負けを喫し、ベスト8で大会を去った。
「やっぱり優勝したかったっていうのが強いですし、最後の試合に出られなかったのはすごく悔しいものがありました。なんで出られなかったのかと考えると、局面で抜き切れない部分や、直接ゴールにつなげられなかった、というのがあったので」
国際Aマッチデビューから2試合目で、初ゴールをマークした。アジアカップ終了時点で、8試合6ゴールを記録している。シュートにつなげられる場所へ入り込み、決め切る力を見せつけていたが、ウイングに求められるもうひとつのタスクと改めて向き合った。