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「(上田)綺世に限らず、FW全員がライバル」2年前に小川航基が抱いた使命感…「W杯ベスト8の壁を破るためには自分のようなFWが必要」
posted2024/06/10 11:05
text by
安藤隆人Takahito Ando
photograph by
JMPA
怪我も重なり、思い描いたプロ生活とは遠い不遇の時間を過ごしていた小川航基。転機はJ2横浜FCに完全移籍した2022年だった。
得点ランキングを独走する活躍でJ1昇格に貢献すると、翌年7月に25歳にしてオランダ・エールディビジのNECナイメヘンへ期限付き移籍を果たした。オランダでは開幕戦からゴールを奪う活躍で終わってみれば公式戦15ゴール。ECLのプレーオフ進出にも貢献している。
ブレないストライカー、ついに開花の時
――改めて、2022年の横浜FCでの1年は大きなターニングポイントでしたね(26得点でJ2得点王に)。
「その前に水戸(ホーリーホック/2019年に期限付き移籍)でしっかりと自分自身と向き合うことができて、自分にもう一度エンジンをかけられた。きちんとステップを踏んできたからこそ、横浜FCで結果を残せたと思います。横浜FCでは、シンプルに四方田(修平)監督の戦術が合っていたことが大きかったと思います。もう1つ挙げるとすれば、自信でしょうか。横浜FCに移籍したときに、得点王を取れると思っていました。自分にはそれくらいの実力はあるし、やってきた自負があったんです」
――常に自分への期待がベースにある。
「振り返ると、よく自信を持ち続けられたなと思いますけどね(笑)。理由はわからないのですが、持ち続けられていました。なんでなんだろう、ずっとやれると思っていましたし、何よりそれを口にも出し続けてきました。そこだけはやめたらダメだと思っていたんです。言わなくなったら本当に自分が終わりだと。言い続けることで自分を保つというか、自分にプレッシャーをかけ続けるというか。そこは絶対に失ってはいけないものだと本能的に思っていたのだと思います」