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大谷翔平効果で「エンゼルスファン数が巨人超え」の衝撃…大谷人気“一強”が示す「巨人離れ」「野球中継の栄枯盛衰」

posted2024/05/14 17:01

 
大谷翔平効果で「エンゼルスファン数が巨人超え」の衝撃…大谷人気“一強”が示す「巨人離れ」「野球中継の栄枯盛衰」<Number Web> photograph by Getty Images

ドジャース移籍前の2023年12月、スポーツ調査会社のレポートでエンゼルスのファン数が巨人ファンの数を超えたことが明らかになった

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内野宗治

内野宗治Muneharu Uchino

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 連日のように試合での活躍が報じられる大谷翔平。大谷の人気とは実際どれほどのものなのか。4月24日発売の『大谷翔平の社会学』(扶桑社新書)より、日米の大谷人気について考察したパートを抜粋して紹介する。(全3回の第2回/初回から読む)

アメリカの評価を気にする理由

 大谷は日本にいる頃からスーパースターではあったが、そのステイタスがさらに一段も二段も高まったのはやはり、アメリカでプレーするようになってからだ。

 大谷が日本だけでなく世界で、というかアメリカで認められたという事実は大きい。極東の島国に暮らす「辺境人」である僕ら日本人は、昔から中国や欧米などその時々で「世界の中心」だった場所の文化、習慣を取り入れながら生活してきた。常に外来の文化や習慣を参照し、それを独自にカスタマイズしてきた僕ら日本人は、自分たち自身でこしらえた価値判断のモノサシに絶対的な自信を持てず、常に「他者の評価」を気にしてしまうという(さが)がある。今日では、とくに欧米という「世界の中心」の評価を。

 大谷が23歳で渡米し、MLBで活躍してアメリカで評価されて初めて、僕ら日本人は「大谷は本当にすごいのだ!」という確信を得た。日本メディアの報道を見ると、たとえば「MLB公式サイトが大谷を特集」「ニューヨーク・タイムズの記者が大谷を絶賛」「対戦相手の監督が大谷に脱帽」といった類いの見出しで溢れている。「大谷はアメリカでこれだけ注目されていますよ!」「アメリカでも高く評価されていますよ!」ということを伝えているのである。大事なのは自分たち日本人の評価ではなく、アメリカ人がどう評価しているのか、なのだ。もっとも、アメリカ人のコメントにはお世辞やリップサービスが多分に含まれている場合もあるので、多少割り引く必要はあるのだが……。

野球界における絶対的な立ち位置

 とはいえ、大谷フィーバーは何も日本だけでのことではなく、アメリカでも今や大谷は押しも押されもせぬ「MLBの顔」であることは確かだ。

【次ページ】 野球選手が神になる国、ニッポン

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