酒の肴に野球の記録BACK NUMBER
谷繁元信、黒田博樹の野球殿堂は異論なしだが…石井琢朗や小笠原道大、和田一浩ら「2000安打達成+有資格者なのに未選出」が25人いる
text by
広尾晃Kou Hiroo
photograph byTamon Matsuzono/Hideki Sugiyama
posted2024/02/05 17:00
谷繁元信と黒田博樹。プレーヤー部門で今年の野球殿堂入りが決まった
37松原誠2095安打・安2回
38松井稼頭央2090安打・M1回安2回盗3回/票P92(26%)
39山崎裕之2081安打
40藤田平2064安打・首1回安1回
41谷沢健一2062安打・首2回安1回/票E29(19.7%)
松原誠は大洋の中軸として球団初の2000本を記録しながら、三塁手、一塁手でONと全盛期が重なったためにベストナインに一度も選ばれず。彼も今年1月13日に80歳になった。
昨季から西武監督の松井稼頭央は、日米通算では2705安打、今年から資格を得たが、今後、得票が伸びるのではないか。ロッテ、西武で活躍した山崎裕之、阪神の安打製造機、藤田平も殿堂入りすることなく70歳を超えた。
張本勲との激しい首位打者争いに勝つなど2度の首位打者を獲得した中日の谷沢健一はエキスパート部門でエントリーされているが、得票数は伸びていない。
資格を失った和田一浩、では新井や小久保は?
42有藤通世(道世)2057安打・首1回/票E21(14.3%)
44加藤秀司(英司)2055安打・M1回点3回首2回安1回/票E19(12.9%)
45和田一浩2050安打・M1回首1回安1回
46荒木雅博2045安打・盗1回/票P15(4.2%)
47小久保裕紀2041安打・本1回点1回/票P18(5.1%)
ミスターロッテと言われた有藤通世は、三塁でパ最多の10回のベストナインに輝いたが、エキスパート部門での票は伸びていない。西本幸雄監督時代の阪急の中軸打者で、きわめて勝負強かった加藤秀司もMVP1回ながら殿堂入りしていない。
西武、中日で活躍してMVPにも輝いた和田一浩は2021年に資格を得たが、翌22年に10票(2.8%)しか取れず、資格を失っている。同じく中日で活躍した荒木雅博は、2000本安打を打った打者では最も少ない通算34本塁打。しかし「アライバコンビ」で一世を風靡した名内野手だった。今年、資格を得たが15票だった。
今季からソフトバンク監督の小久保裕紀は、2018年から資格を得て2019年には119票を獲得したが2024年は18票まで減った。
48新井宏昌2038安打・首1回安1回/票E24(16.3%)
50野村謙二郎2020安打・安3回盗3回/票P75(21.2%)
51柴田勲2018安打・盗6回/票E43(29.3%)
53田中幸雄2012安打・点1回
54駒田徳広2006安打
イチローの師匠の一人で屈指の安打製造機として知られた新井宏昌もエキスパート部門で数字が伸びず。広島で最多安打3回の野村謙二郎は2019年の138票をピークに票を減らしている。
巨人V9時代のリードオフマン、柴田勲はセ・リーグ最多の579盗塁、盗塁王6回だが、殿堂には届いていない。
ミスター日本ハム田中幸雄は2012年に資格を得たものの、すでに資格を失っている。駒田徳広は、巨人、横浜で活躍。打撃タイトルはないが、一塁手として史上最多のゴールデングラブ10回という守備の名手だが、2006年に資格を得るもすでに資格を失った。田中と駒田は今後、エキスパート部門でのエントリーがあるだろう。
200勝投手で殿堂入りしていないのは1人だけ
投手で200勝以上し、殿堂入り表彰資格を得ながら殿堂入りしていないのは1人だけ。