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《阪神に黄金時代は来るか》藤本敦士&筒井壮コーチの言葉でひも解く岡田タイガース2年目の進化「変わったなと思いました」「欲を出さないことですね」

posted2024/02/05 11:00

 
《阪神に黄金時代は来るか》藤本敦士&筒井壮コーチの言葉でひも解く岡田タイガース2年目の進化「変わったなと思いました」「欲を出さないことですね」<Number Web> photograph by JIJI PRESS

連覇を期して2年目のシーズンをスタートさせた阪神・岡田監督

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酒井俊作

酒井俊作Shunsaku Sakai

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 プロ野球記者にとって、1年間でもっとも取材ノートにあれこれと書き込む季節がやって来た。2月1日のキャンプイン。担当チームの力を見極める、大切な約1カ月である。この間に記者がノートにもっとも多く書く漢字がある。5画から成る字をさらさらと綴るのではなく、グラウンドを見ては「一」「|」と1画ずつ刻む。気づけばノートはこんな感じになっている。

ひたすら数える理由

 正正正正正正正正正正正正正正正

 正正正正正正正正正正正正正正正

 長いときは1時間以上も「正」だけをひたすら書き続ける。これは何を意味するのか。私がこれまで長く取材した阪神タイガースのキャンプから例示しよう。
 

 ウィリン・ロサリオ 55スイング中、14本の柵越え。場外弾1発。

 能見篤史 4日間で投手陣最多のブルペン339球。

 キャンプ序盤は練習内容が記事になりやすい。だから、記者はひたすら数える。スイング数や投球数……。この時、ノートにメモするのが「正」なのである。(要領のいい記者は数取器でカチカチッとカウントしている)。途方もない柵越えの本数など、威勢のいい数字は手っ取り早くスポーツ新聞の見出しになるからだ。

「量」が上達に直結

 退屈な作業かと思いきや、意外にそうでもない。例えば、2018年のロサリオのような、新外国人スラッガーの打撃練習や即戦力の呼び声高いルーキー投手のブルペン投球などを「果たして通用するだろうか」といった目線で品定めするのは心躍るし、つい見とれて「正」を書き忘れてしまうほどである。

【次ページ】 「打つ方なんか期待してたら…」

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