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「来年度は最強軍団が入ってくる」青学大・原監督は高笑い?…全国男子駅伝で快走“非強豪校”にも多士済々の大学駅伝「注目ルーキー候補たち」
text by
和田悟志Satoshi Wada
photograph bySatoshi Wada
posted2024/01/22 11:00
駅伝強豪校以外からも有力ランナーが集まる全国男子駅伝。いずれも来年度以降は大学駅伝でも注目される選手たちだ
川原は、都大路は走れなかったものの、その時の折田の走りを見て対策を練っていた。
「(折田は)余裕を持って最後まで走っていたので、スピードに変化をつけたレースをしないと通用しないというのは分かっていました。そういった面で変化走をしてから今回は挑みました」
こう話すように、ペース変化は自由自在。ペースアップを図る際には、見た目にも明らかに一気にギアを上げた。
「余裕があったので、自分が考えたプラン通りにしっかりと冷静に進めることができました」
そして5.3kmでスパートすると、そのまま後続を振り切った。得意のロードで、折田をはじめトラックではなかなか勝てなかった相手に勝利した。
「時計を付けていなかったので、(タイムは)全然分からなかった」と言うが、前回、長嶋幸宝(兵庫/現・旭化成)が打ち立てた区間記録を8秒も上回り、区間新記録で区間賞に輝いた。
東洋大進学組も堅実な好走
都大路に続き区間2位と好走を見せたのは松井海斗(埼玉栄→東洋大に進学予定)。注目の折田は区間5位だったが、それでも従来の区間記録は上回った。区間賞は逃したとはいえ、十分素晴らしい走りだった。
区間3位の安島莉玖(岐阜/大垣日大)も“都大路不出場組”だ。
昨夏のインターハイでは5000mで決勝に進出するなど大舞台に強い。また、岐阜県高校駅伝の1区10kmで28分台をマークし、全国の強豪校が出場する日本海駅伝では1区区間賞に輝くなど、駅伝での実績も抜群だ。5000mの自己記録は14分06秒47だが、区間3位は彼の力相応の走りだった。
川原や安島の他にも、1区では例年以上に“都大路不出場組”が目についた。
区間9位の飯田翔大(鹿児島/出水中央)は5000mで高校歴代4位の13分34秒20の記録をもつ。
出水中央には、もう1人のエース格、玉目陸や留学生もいるが、県大会では鹿児島城西に敗れ、都大路に出場できなかった。
飯田はこの1年で飛躍的に成長を遂げ、昨年3月の春の高校伊那駅伝の1区で区間新記録を樹立し、区間賞を獲得している。インターハイは5000mに出場し、惜しくも入賞にあと一歩の9位に終わったが、地元開催の国体では3位入賞を果たした。そして、県高校駅伝に敗れたあと、13分34秒をマークした。