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「Jから直接ブンデスに行けた時代は恵まれていた」日本人はもっとシント・トロイデンを活用すべき? 岡崎慎司37歳の提言「苦労する必要はない」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2024/01/20 11:02
ドイツ、イングランド、スペインを経て、現在はベルギーのシント・トロイデンVVでプレーする岡崎慎司。同クラブの強みについて話を聞いた
“Jから直接ブンデス移籍”が難しくなった理由
――岡崎選手がドイツに渡ったとき、シュツットガルトは酒井高徳選手を獲得しましたね。当時の二人の様子を思い出すと、日本語で話ができる相手がいることの利点は確かにあるように感じます。
「ヨーロッパに来たばかりで、日本人以外の選手の思考や価値観もわからない。不満や疑問を日本語でぶつけられる選手がいるのは、本当に大きかったですね。その後移籍したマインツにも日本語が理解できるパク・チュホ(水戸、鹿島、磐田でプレー)がいたし。分かり合える選手の存在が与えてくれる安心感は格別だったと思います。そう考えると、チームに日本人がいることはプラスしかない。初めてのヨーロッパなら、なおさらだと思います」
――だからこそ、STVVというクラブを入り口にヨーロッパへ挑戦することを利用してほしいと。
「そう思います。僕がヨーロッパに来た10年ほど前は、いきなりシュツットガルトやドルトムント(香川真司)、シャルケ(内田篤人)とブンデス1部のクラブに加入できました。日本人選手がドイツのマーケットで重宝がられた時代だったと思います。けれど、現在のブンデスリーガを見ると、10年前は少なかったフランス人やアフリカにルーツを持つ選手の数が増えています。その結果、日本からいきなりドイツへ移籍することが難しくなった。日本でしかプレーしていない選手の評価は未知数で、そこに賭けるよりも、目に届くところで結果を残した選手のほうが安心ということなのかもしれません。だから日本人選手は、4大リーグではなく、ベルギーやオーストリア、スイスなど、いわゆるステップアップリーグへの移籍が主流になっているのが現状だと思います」
――10年前も現在もヨーロッパでプレーする岡崎さんだからこそ、わかることですね。
「かもしれません。サッカーだけじゃなく、移籍マーケットの変化も本当に速いから。そして選手の考え方、生き方も当時とは違う。『俺らのころは……』と10年前の話をしてもまったくリアルじゃない。5年前でも違うと思います」