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欧州サッカーPRESSBACK NUMBER
なぜ遠藤航や冨安健洋は“シント経由”でステップアップできたのか? 岡崎慎司が語る“欧州で成り上がる秘訣”「彼らが鍛えられたのは…」
posted2024/01/20 11:03
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph by
Getty Images
かつてシント・トロイデンVV(以下、STVV)への多くの日本人選手の加入を「懐疑的に見ていた」という岡崎慎司。しかし2022年夏に同クラブの一員となってからは、「日本人選手はもっとSTVVを活用すればいい」と考えるようになった。そんな37歳のベテランの目に、現日本代表の鈴木彩艶をはじめとした若手選手はどう映っているのか。インタビュー前編に引き続き、後編ではチームメイトの率直な印象や「ステップアップの難しさ」について語ってもらった。(全2回の2回目/前編へ)
鈴木彩艶や藤田譲瑠チマは「非常にスマート」
――2023年もまた多くの日本人選手がSTVVに加入しましたね。鈴木彩艶選手(21歳)、山本理仁選手(22歳)、藤田譲瑠チマ選手(21歳)ら、20代前半の選手は他の世代とはまた違う印象はありますか?
「それぞれのキャラクターがあるので一概には言えないけれど、20代半ばの選手の方がいろんなことに興味がある感じがしますね。逆に20代前半の選手は、真面目というか、とても落ち着いている。監督が掲げるサッカーへの理解スピードも速いし、自分がやるべきことに対しての処理も速い。非常にスマートだなと思います」
――ヨーロッパへ渡ったばかりの岡崎選手とは違いますか?
「そうですね。僕らはいきなりブンデスリーガへ移籍して、『ここで生き残れなければ終わりだ』というような気持ちでした。そういう覚悟で挑戦していたと思います。選択肢がそれしかないから。ある程度耐えることも必要だった。そのクラブである程度戦って、自信や経験を身につけて、ヨーロッパ内での移籍を考えるという感じでしたから」
――現在の日本人選手は、いきなり4大リーグへの移籍ができなくとも、いわゆるステップアップリーグで経験を積み、移籍の可能性を模索していくというケースが多いですね。
「下から上がっていくことの本当の難しさを、僕は知らないのかもしれません。ただ、ステップアップという意味では、ブンデスリーガで戦い、価値を示して、プレミアリーグへ行くというのもステップアップ。当時の僕らと今の彼らが同じ気持ち、覚悟であってほしいとは思いますね」