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「Jから直接ブンデスに行けた時代は恵まれていた」日本人はもっとシント・トロイデンを活用すべき? 岡崎慎司37歳の提言「苦労する必要はない」
text by
寺野典子Noriko Terano
photograph byGetty Images
posted2024/01/20 11:02
ドイツ、イングランド、スペインを経て、現在はベルギーのシント・トロイデンVVでプレーする岡崎慎司。同クラブの強みについて話を聞いた
「僕らの時代が恵まれ過ぎていただけ」
――ブンデスリーガのレベルが高くなり、Jリーグのレベルが下がったわけではない?
「レベルはあまり関係ないと思います。今の選手だって、ブンデス1部でやれると思います。ただ、僕らの時代が恵まれ過ぎていただけなんですよ。もし、僕が今の彼らと同じ年齢で、この世代に生きていたと思うと、かなり難しいなと感じます。本当にハードルが高いなと」
――難しさとは?
「いろいろあると思うんですが、僕自身、スペイン2部へ移籍して、初めてカテゴリーを下げました。そこから上を目指していくという気持ちだったけれど、そういう場所で自分の存在感を出していくのは難しい。特に日本人選手の場合は……。そういう意味でSTVVというクラブの存在は、すごくありがたいと思います。ちゃんとその選手のことを理解してくれているので」
――他のクラブだと難しい?
「他のクラブでももちろん、選手として評価したうえで獲得してくれているんだけれど、監督が代わったり、選手の構成によっては、想定外の使い方をされるケースも少なくない。ストライカーとしてチャレンジしたいと思っていても、ウイングや他のポジションで起用されることもあります。それによって自分の新しい可能性を見出せることもあるけれど、『ここじゃないのに』というストレスも当然溜まります。違うポジションで上を目指すというのは、最初のハードルがグッと上がる。だからこそ、ヨーロッパへの入り口としてSTVVは最適だと思っています」
――昨季はリーグ戦30試合に出場した岡崎さんですが、今季はベンチに座ることが増えています。フィンク監督とはどんなコミュニケーションを?
「監督とはいろいろ話をします。『俺はビジネスマンだから、若い選手を育てて自分の価値を証明したい』ということを僕にもストレートに言ってくる。面白い人だなと思いますね。同時に『この人はきっと笑顔で俺を地獄に落としてくる監督だな』と思ったりもします(笑)」
<後編へ続く>