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監督が「不適切な行動」で解任→“監督不在”の立教大は箱根駅伝メンバーをどう決めた?「8名の主力選手が話し合い」「当落線上の主将は…」

posted2023/12/28 06:05

 
監督が「不適切な行動」で解任→“監督不在”の立教大は箱根駅伝メンバーをどう決めた?「8名の主力選手が話し合い」「当落線上の主将は…」<Number Web> photograph by Yuki Suenaga

箱根駅伝予選会の直前に監督が電撃解任されるも予選通過した立教大。駅伝監督不在のまま、箱根に挑む選手たちを取材した

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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Yuki Suenaga

 今年10月、「女子部員との不適切な行動」で立教大学の上野裕一郎監督が解任された。長距離総監督が急きょ代理を務めるものの、コーチはボランティアで実質的に駅伝チームは“監督不在”の状態だ。学生がエントリー選手を選び、区間配置を決定する異例の「学生自治」で箱根駅伝へと向かうチームの現状を追った。(全2回の第1回)

選考プロセス

 12月17日、新座キャンパスで行われた立教大の箱根駅伝に向けた記者会見――。

 壇上に顔を揃えた16名の選手たちは、晴れやかな表情をしていた。

 上野裕一郎前監督が不適切な行動で解任された後、立教大は学生主体で箱根予選会を迎え6位で2年連続での本戦出場を決めた。その後も学生主体で練習を継続、記録会やMARCH対抗戦などに出場する中、次に選手たちが直面したのは箱根駅伝のエントリーメンバー16名の選考という難題だった。

 立教大職員で学生主体の活動を見守ってきた林英明コーチは、“選考”についてこう語った。

「選考のプロセスとしては、前回の箱根の経験、これまでの実績と成績、そして、MARCH対抗戦(11月22日、10000m)での結果を軸に沖縄に行くメンバーを決めます。最終的に沖縄で選手をふるい掛けて決めるということになりました」

沖縄での選考合宿

 沖縄での選考合宿は、11月28日から12月12日まで18名が参加して行われた。この中から2名が落選することになるのだが、最終的にエントリーメンバーを決める際の基準になったのは、12月8日金曜日のポイント練習だった。5000m×4本、セット間隔が7分間で、1本目が15分20秒、2本目が15分10秒、3本目が15分フラット、ラストが14分30秒という設定だ。

「強度の高い練習ですけど、これが選考レースだということで、みんなお互いをかなり意識していました。全員一緒にスタートして、4本目は設定が高いので、ほぼみんな全力です。正直、かなりキツかったんですが、逆にそこで力の差が見えた感じでした」

 主力のひとりである中山凜斗(4年)は、そう言った。

【次ページ】 個人の感情は選考に必要はない

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