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“海外組ばかり”と言われがちな森保ジャパンだが…監督が熱心に視察したJクラブは?「1位は浦和、古巣の広島は…」全40試合をランキング化してみた
posted2023/12/13 17:00
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph by
Kiichi Matsumoto
23分の8には、確かな裏づけがある。
2024年元旦にタイ代表と対戦する日本代表には、8人の国内組が含まれている。年末年始にリーグ戦が組まれているイングランド、スペイン、イタリア、ポルトガル、スコットランドでプレーする選手が、招集を見送られたことが第一義的な理由である。
遠藤航、三笘薫、久保建英らを欠くことになっても、森保一監督が慌てることはなかっただろう。指揮官は「その時々で招集していない選手も含めて、広範囲に日本代表として戦える戦力の発見・発掘をしている」と言う。スタッフとともに国内外の試合をチェックし、ラージグループを形成してきたのだ。
もっとも視察したクラブは浦和、では2位は?
森保監督は2月18日のJ1リーグ開幕節から12月9日の天皇杯決勝まで、国内で40試合を視察している。代表選考の対象外としているJ2の試合会場へ、足を運んだこともあった。
チーム別でもっとも多かったのは、浦和レッズの9回である。浦和の所属選手では伊藤敦樹が2023年の活動に加わり、彼が追加で初招集された6月以前に、森保監督は4試合を視察している。そのパフォーマンスを目前で見定めたうえで、代表に加えたことが分かる。
浦和に次ぐのは横浜FCの8回だ。J1最下位でJ2降格となったチームの視察が多かったのは、対戦相手が関係しているのだろう。
森保監督は8月20日に、横浜FC対セレッソ大阪戦の会場へ向かった。同月末に発表された9月の欧州遠征のメンバーには、初招集となるC大阪の毎熊晟矢の名前があった。
セレッソの試合には名波浩コーチ、齊藤俊秀コーチ、下田崇GKコーチも複数回訪れている。森保監督以下スタッフが、早い段階から毎熊に注目していたことがうかがえる。
名波コーチ、齊藤コーチは、各チームをまんべんなく視察している。前田遼一コーチはシーズン前半戦に、湘南ベルマーレの試合を多くチェックした。7月上旬までに9得点をあげていた町野修斗のチェックが、主な目的だったのではないだろうか。
GKコーチの下田コーチは、視察先がある程度固まっている。大迫敬介がプレーするサンフレッチェ広島が13回、前川薫也が所属するヴィッセル神戸が6回。前川は10月、11月と招集され、11月のミャンマー戦で国際Aマッチデビューを飾った。