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“海外組ばかり”と言われがちな森保ジャパンだが…監督が熱心に視察したJクラブは?「1位は浦和、古巣の広島は…」全40試合をランキング化してみた
text by
戸塚啓Kei Totsuka
photograph byKiichi Matsumoto
posted2023/12/13 17:00
2023年、国内だけで40試合を視察した日本代表の森保一監督。コーチ陣も含めた視察の内訳を徹底検証する
伊藤が主戦場とする攻撃的MFは、日本代表のなかでもとびきりの激戦区だ。所属チームで結果を残していても、すぐには招集できないケースも出てくる。だからこそ、候補にあがってくる選手はそのパフォーマンスを継続的に把握しておく必要がある。伊藤についてはシント・トロイデン移籍後もチェックを重ね、「10番、8番のポジションで存在感のあるプレーをしている」(森保監督)ことでの招集となった。
「選手を選ぶ人」の膨大な仕事量
11月の活動で追加招集されたふたりは、今回もメンバー入りしている。佐野海舟と細谷真大だ。
今シーズンから鹿島アントラーズの一員となった佐野は、開幕戦からスタメンに名を連ねていった。森保監督は4節のアビスパ福岡戦を、カシマスタジアムで観戦している。その後は8月と10月、12月に一度ずつ、鹿島の試合を視察した。名波コーチ、齊藤コーチ、前田コーチ、下田GKコーチのスケジュールを加えると、鹿島の視察は15回になる。11月はケガ人が出たことによる追加招集だったが、その時点で十分な裏づけがあったと考えていい。
パリ五輪世代の細谷は、日本代表ではなくU-22日本代表での活動がメインだった。そのなかでも、森保監督は彼が所属する柏レイソルの試合を、開幕早々にチェックしている。コーチ陣も柏の試合に足を向けており、合計で15回を数える。進化を継続的に確認していたのだろう。
2023年に日本代表に招集された選手は、51人を数える。森保監督とスタッフは、そのすべての選手をフォローしつつ、新たな可能性を持った選手を発掘してきた。スタジアムへ通いながら膨大な量の映像を再生し、選手層の底上げにつなげてきた。
代表監督は、「選手を選ぶ人」とも言われる。選手の視察に追われるのは当然である。ただ、選ばれるべき選手が順当に名を連ねるリストや、新たな選手の招集の裏側では、恐ろしいほどの時間が費やされているのだ。