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ドラフトウラ話…“高校BIG3”のひとりはソフトバンク「育成3位」そのメッセージは…?ドラフト全指名を検証する《DeNA・ソフトバンク・広島編》
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![安倍昌彦](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
安倍昌彦Masahiko Abe
photograph byNanae Suzuki
posted2023/11/09 11:02
![ドラフトウラ話…“高校BIG3”のひとりはソフトバンク「育成3位」そのメッセージは…?ドラフト全指名を検証する《DeNA・ソフトバンク・広島編》<Number Web> photograph by Nanae Suzuki](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/b/3/700/img_b354b8ab18e66442cc5180d962b154e1972084.jpg)
ソフトバンク育成3位指名の佐倉侠史朗内野手(九国大附高・184cm103kg・右投左打)
これは蛇足みたいな話だが、常廣投手とカープを結びつけたご縁があるとすれば、もう1つ。
常廣投手の母校・大分舞鶴高と、カープのエース・森下暢仁投手の大分商高は、広い道路一本隔てたはす向かいの「お隣さん」。
きっと若きエースがプロの「い・ろ・は」を教え導いてくれるはずだ。
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2位・高太一(投手・大阪商業大)と3位・滝田一希(投手・星槎道都大)は、共に排気量の大きなサウスポー。もう一つの2人の共通項は、高校時代の成功体験が少なかったことだ。
高投手は広島・広陵高の2番手、3番手。エースは、昨年ひと足先にプロ入りした河野佳投手(大阪ガス→広島5位)で、番手を争ったのが、今回ヤクルト3位指名の石原勇輝(明治大)。滝田投手の北海道・寿都(すっつ)高は、部員十数人のなかなか勝てない野球部だった。
成功体験が少ないから、2人共自分をまだ信じきれないところがあって、1、2本打たれるとグラリとくる。但し、隠し持っている投げるエンジンの優秀さは、間違いなく一級品だ。
共に、左腕特有の猛烈なクロスファイアーがあるし、高投手にはカーブとツーシーム、滝田投手にはチェンジアップ。プロでも勝負球になる飛び道具がある。
広島4位指名は新井監督を彷彿とさせる「右の大砲」候補
新井貴浩監督が「オレが育てる!」と身を乗り出しそうな右の大砲候補が、4位・仲田侑仁内野手(沖縄尚学高)。高校生の「一塁手」が4位というのは極めて珍しく、カープの高い評価と期待が伝わってくる順位だ。
新井監督といい勝負の雄大な体格、センターから右中間方向にも実に良い姿勢で振り抜けるのが何よりの魅力。今年は、春のセンバツでも、夏の甲子園でも、スタンドにきれいな放物線で放り込み、高い実戦力も証明してみせた。
5位・赤塚健利投手(中京学院大)は、その巨体からパワーピッチャーを想像するが、実際はきちんとストライクゾーンを使えて、丁寧な投球ができる実戦型だ。それでも、このガタイだ。普通に投げても、140キロ後半が出てしまう。フォークとの緩急だけで、1イニングしのげるのでは……? いきなり、一軍中継ぎ陣に切り込んでもおかしくない。
おかげさまで、今年で6年目。
恒例になりつつある広島の某テレビ局のドラフト番組。
エンディングのカープ応援歌合唱をバックに、ボードに書き込まれた「カープ隠し玉……」の文字が10秒ほど映る。
「日本大国際関係学部・杉田健投手」
昨年の「青森大・名原典彦外野手」に続き、2年連続の的中。私なりに「根拠」めいたものはあった。
投球は粗くても、とにかく野球センス抜群!
自慢話になるので、本件、これぐらいで。
<ロッテ・阪神・オリックス編へ続く>
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