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「トミヤスとイタクラは特筆すべき」「あなた方の代表に感謝する」ドイツ記者の“日本戦惨敗リアル評”「正式監督候補はクロップと…」 

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フィリップ・セルドーフ/南ドイツ新聞

フィリップ・セルドーフ/南ドイツ新聞Philipp Selldorf / Süddeutsche Zeitung

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posted2023/09/20 11:03

「トミヤスとイタクラは特筆すべき」「あなた方の代表に感謝する」ドイツ記者の“日本戦惨敗リアル評”「正式監督候補はクロップと…」<Number Web> photograph by picture alliance/Getty Images

ドイツ戦でも安定したプレーを見せた(左から)冨安健洋、鎌田大地、板倉滉。日本代表のプレーをドイツ人記者はどう見た?

 カタールの地で日本はアンダードッグであることを自認し、引いて守って少ないチャンスをモノにする戦術を採用。だが今回は、テクニカルな選手たちが自信たっぷりにボールを回し、試合をコントロールしていた。

 それを可能にしたのは、技術や精神的な改善もあるが、最終ラインの中央で堅守を支えた冨安健洋と板倉滉の存在も特筆すべきだ。終始不安定だったドイツのCBコンビ、アントニオ・ルディガーとニクラス・ズーレとは比較にもならない。

「決定機は一度も作れなかった」と試合後にキミッヒが語ったように、日本のディフェンスは強固だった。

 おそらく代表監督として最後の記者会見で(再任はないだろう)、フリック監督は次のように話した。

「日本はフットボールの基本において、我々を完全に上回っていた。ドイツは目を覚まし、基礎から立て直さなければならない」

 今回の代表で唯一の2014年W杯優勝メンバー、トーマス・ミュラーは「日本は間違いなく現時点で世界のトップ10に入る」と評した。あまり意味をなさないFIFAランキングより、トッププレーヤーの肌感覚の方が信じられるものだ。

次の正式監督はクロップか、それとも…

 ドイツに関しては、1つのサイクルが終わろうとしている。EURO2000で1勝も挙げられずグループステージ敗退に終わり、プレースタイルも時代から取り残されていることを痛感し、そこから育成改革に踏み切ってモダンな選手たちが育つようになった。その14年後にブラジルで世界の頂点に立ち、包括的な努力は報われた。

 だがそこをピークに、今や再び地に落ちた感がある。

 次の正式監督には、ユルゲン・クロップの名前も取り沙汰されているが、おそらくユリアン・ナーゲルスマンになるのではないか。プロキャリアを持たない現在36歳の戦術家は昨季途中にバイエルンを解任されたが、その手腕には定評がある。

 彼にせよ、ほかの新監督にせよ、そのタスクは実に重大なものとなる。

 ◇ ◇ ◇

 ドイツにとって日本相手の“連敗”は、体制刷新のトリガーとなったことは確か。では森保一監督率いるチームが中2日ながら、4-2で勝利したトルコはどのように感じているのか? 現地記者が最も驚かされたのは久保建英でも伊東純也でもなく“あの中盤の選手”、そしてEURO2024に出場したとしても躍進が見込めるほどの強さを感じたのだという――。

<第2回「トルコ人記者の視点」編に続く>

#2に続く
「刺激的な」久保建英や伊東純也ら以上に「最も驚かされた」のは…「EURO4強でも不思議ではない」トルコ記者の“リップサービスなし森保J評”

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