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日本代表にドイツ人が拍手、トルコサポーターは「嘆き節のようなブーイング」を…現地撮影カメラマンが伝える“テレビに映らなかった完勝の証”

posted2023/09/15 17:02

 
日本代表にドイツ人が拍手、トルコサポーターは「嘆き節のようなブーイング」を…現地撮影カメラマンが伝える“テレビに映らなかった完勝の証”<Number Web> photograph by Masashi Hara

トルコ戦で驚異的な独走からPKを獲得し、自ら沈めた伊東純也。その数時間後には、日本に惨敗したドイツがフランスを相手に意地を見せた

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原壮史

原壮史Masashi Hara

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Masashi Hara

9月の欧州遠征で、ドイツとトルコを相手に2連勝を飾ったサッカー日本代表。ドイツサポーターによる自国代表への激しいブーイングは、やがて日本への称賛の拍手に変わり……。現地で試合を撮影したカメラマンが、写真を交えて充実の2連戦をレポートする。(全2回の2回目/前編へ)

ドイツサポーターが日本に送った称賛の拍手

 9月9日、ヴォルフスブルク。ドイツ対日本の後半、立ち上がりから伊東純也や三笘薫が積極的にシュートを放つと、ホームのサポーターはチームを諦めた。

 1対1を何度も防いだテア・シュテーゲンのビッグセーブには賞賛が送られていたものの、ドイツの前線がシュートではなくボールを回すことを選択すれば、苛立ちを隠さずにブーイングを送る。一方で、遠藤航がブンデスリーガのデュエル王らしいプレーを披露したり、三笘がドリブルの体勢に入ったりすると、敵味方に関係なく盛り上がるようになっていた。

 この日、スタジアムを訪れた人々に“サッカーの面白さ”を提供していたのは日本だった。

 59分に鎌田大地と谷口彰悟の交代で5バックに変更した日本は、ドイツにボールを持たせる戦い方を選び、その後も狙い通りの守りを続けた。

 冨安健洋の圧巻のプレーは言うにおよばず、組織化された日本の守備は見事な出来で、誰もが攻守共にハードなコンタクトを厭わなかった。ヨシュア・キミッヒが持ち上がれば守田英正と冨安が挟み、イルカイ・ギュンドアンがボールをコントロールすれば素早く次の展開を読んでリスクを管理し、レロイ・サネのドリブルには三笘が躊躇なくぶつかっていく。途中出場の選手たちもその流れに乗った。終盤の2アシストで勝利を決定づけた久保建英も例外ではなく、低い位置での守備や競り合いなど、戦う姿勢を前面に出して試合に入った。

 4-1で日本が勝利すると、諦めや落胆を通り越した表情で試合を見つめていたドイツサポーターの一部は、スタンディングオベーションで日本の選手たちを迎えた。

 ドイツからしてみれば、攻撃でも守備でも、真正面から打ち砕かれた一戦だった。先制され、追いついてもすぐに勝ち越され、反撃は許されず、最後に突き放されて終戦。言ってしまえば、日本に“強いチームの戦い方”をレクチャーされた格好だ。アウェイサポーターのストレートな称賛は、完勝の証だった。

【次ページ】 トルコ戦で目にした“勝ち切るチーム”の強さ

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