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大谷超え10打点&三振ゼロ「さすが吉田正尚」な成績に「ヒーローインタビューはまだ?」の声…ラスト2試合“熱い男”に期待すること
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![米虫紀子](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/6/3/-/img_63c0172edf1a3eec5d5017836b5eb9301895.jpg)
米虫紀子Noriko Yonemushi
photograph byNaoya Sanuki
posted2023/03/20 11:02
![大谷超え10打点&三振ゼロ「さすが吉田正尚」な成績に「ヒーローインタビューはまだ?」の声…ラスト2試合“熱い男”に期待すること<Number Web> photograph by Naoya Sanuki](https://number.ismcdn.jp/mwimgs/8/5/700/img_85e26252ae9bc63f46448936af371d15166960.jpg)
決戦の地・マイアミで調整を続ける吉田正尚。準々決勝イタリア戦で到達した10打点は、今大会トップの数字である(3月19日時点)
イタリア戦では、3回裏に3番・大谷翔平(エンゼルス)がセーフティバントを仕掛けて作った1死一、三塁のチャンスに、吉田はショートゴロ(本来ならセンター前に抜けそうな当たりだったが)で先制点を挙げて応え、この日は2打点の活躍だった。
今大会はここまで全チームトップの10打点を叩き出している。打率は.400で、三振はいまだ0。持ち味の勝負強さとコンタクト力を存分に発揮し、日本の勝利につなげている。
特に韓国戦、チェコ戦では、序盤にリードされる中、重い空気を払拭する値千金の逆転打を放ち日本を救った。それなのに一度も試合後のヒーローインタビューに呼ばれていないことがファンの間でちょっとした話題になっているが、おそらく本人は気にしていないだろう。
吉田正尚を動かす“純粋な向上心”
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吉田は昨年12月にボストン・レッドソックスと5年9000万ドル(約122億円)という大型契約を結んだ。メジャー1年目はただでさえ新たな環境やルールなどへの適応が大変なはずなのに、日本代表の栗山英樹監督に直訴してまでWBCに出場した姿勢を、「男気がある」と称える声も多い。
ただ吉田にとってはごく自然な決断だったようだ。
「悩んだか悩んでないかで言うと、悩みました。でもWBCは僕の小さい時からの憧れというか、大きな目標だった。第1回、第2回と優勝を見て、第3回、第4回……第4回の時は自分がもうプロ2年目だったんですけど、自分の野球人生の節目節目にあって、単純に先輩方のユニフォーム姿がかっこいいなと思った。日の丸を背負ってかっこいい、自分もそういう舞台に立ちたいなという思いは、今までずっと変わらずありました。メジャー移籍が決まっても、そのWBCへの気持ちは変わりませんでした」