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「オオタニはもはや“三刀流”」韓国人記者がイタリア戦で感じた最強侍ジャパンの「羨ましい」強さ「“名不虚伝”のヨシダ」「見習うべきはイマナガ」
posted2023/03/19 11:02
text by
姜亨起Kang Hyeong Gi
photograph by
Naoya Sanuki
WBCで早期敗退に終わった韓国だが、国内では大会そのものに対する関心が今も続いている。
実際、1次ラウンド取材のため来日した韓国報道陣のなかには自国代表の敗退後も日本に滞在した記者が多く、16日に行われた日本対イタリアの準々決勝も東京ドームで現地取材していた。
結果は9−3で侍ジャパンが勝利し、5大会連続となるベスト4進出に成功。開幕から5戦全勝という圧倒的な強さに「もはや日本に弱点はない」「日本は負け方を忘れた」と伝えた韓国メディアもあったなか、日本の準々決勝での戦いぶりを、韓国人記者たちはどう見たのだろうか。
そこで今回、スポーツ紙の老舗『スポーツソウル』野球担当のキム・ドンヨン記者と、現地ではメジャーなスポーツメディア『OSEN』のチョ・ヒョンレ記者に、準々決勝を見た率直な感想を聞いた。
キム記者の総評は至ってシンプルだった。
「“歴代最強”という評価がそのまま結果に表れた試合でした。イタリアも手強い相手ではありましたが、日本がはるかに強かったです」
この継投をどうやって攻略するのか
そもそも今回のイタリア戦は、投手・大谷翔平(エンゼルス)の「WBCラスト」登板が見られると、韓国でも注目を集めていた。キム記者は唸り声まで聞こえた力投を「少し制球が乱れて点を与えたものの、エースらしいピッチングでした」と評価しつつも、大谷以降のリリーフ、そして打線の援護に注目した。
「大谷にフォーカスが当たりがちな試合でしたが、彼以外の選手もハイレベルで、まったく引けを取っていませんでした。特に伊藤大海(日本ハム)、今永昇太(DeNA)、ダルビッシュ有(パドレス)、大勢(巨人)のリリーフはかなり強力で、『この継投をどうやって攻略するのか』と思いました。
打線では、5打点を生み出した“巨人の4番”岡本和真はもちろん、村上宗隆(ヤクルト)の長打ショーも印象的でした。ほかの打者も相手投手との勝負を避けず、序盤に大量得点に成功し、失点してもすぐ点差を広げられる地力を見せました」
ただ、一挙4得点のビッグイニングを演出した大谷の“奇策”にはキム記者も意表を突かれたようだ。
「1死一塁で仕掛けた三塁方向への“奇襲バント”には驚きました。大谷がバントをするとは誰が予想していたでしょうか。結果的にあの一打が起爆剤となって4点をもたらしましたし、単なる安打以上の効果を発揮しましたね」