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田中将大、坂本勇人らが選外…WBCに“88年世代”は本当に必要ないのか? 米国は41歳を招集〈侍ジャパン30人“世代別”リスト付〉
text by
西尾典文Norifumi Nishio
photograph byYohei Osada/AFLO SPORT
posted2023/01/27 11:01
田中将大、坂本勇人ら球界を牽引してきた“88年世代”。WBCに臨む侍ジャパン30名のリストに名を連ねる者はいなかった
會澤翼(広島)
2019年プレミア12
[代表通算]7試合 5安打0本塁打1打点0盗塁 打率.333
〈2022年の成績〉98試合 60安打3本塁打33打点0盗塁 打率.207
坂本勇人(巨人)
2013年WBC、2015年プレミア12、2017年WBC、2019年プレミア12、2021年東京五輪
[代表通算]32試合 37安打3本塁打18打点4盗塁 打率.294
〈2022年の成績〉83試合 87安打5本塁打33打点2盗塁 打率.286
秋山翔吾(広島)
2015年プレミア12、2017年WBC
[代表通算]12試合 12安打1本塁打5打点2盗塁 打率.267
〈2022年の成績〉44試合 41安打5本塁打26打点0盗塁 打率.265
柳田悠岐(ソフトバンク)
2021年東京五輪
[代表通算]5試合 5安打0本塁打2打点0盗塁 打率.250
〈2022年の成績〉117試合 120安打24本塁打79打点2盗塁 打率.275
石山泰稚(ヤクルト)、増田達至(西武)、松永昂大(元ロッテ)、梶谷隆幸(巨人)なども強化試合や予備登録メンバーで侍ジャパンに選ばれた経験があり、いかにこの世代が日本球界を牽引してきたかがよく分かるだろう。
田中、前田、坂本のように高校から高い評価を得てトップを走り続けてきた選手だけでなく、大学卒の大野、澤村、秋山、柳田、社会人出身の石川、秋吉も名を連ねているところも世代としての厚みを感じさせる。
88年世代の選出ゼロは妥当?
短期決戦や国際大会では経験豊富なベテランの力が必要という声も多いが、今回のWBCに88年世代の選手は本当に必要なかったのだろうか。
優勝を狙う上で大きな壁の1つとなるアメリカ代表のメンバーを見ても、カーショー(ドジャース/88年早生まれ34歳)、ウェインライト(カージナルス/81年生まれ41歳)といった実績のあるベテラン選手が多く選ばれている。
しかし結論から先に述べると、今回のメンバーに88年世代が不在なのは妥当と言えるだろう。一昨年の東京五輪でも田中、大野、坂本、柳田の4人が出場したが、主力として十分な働きを見せたのは坂本だけである。その坂本も昨シーズンは度重なる故障で成績を大きく落としており、他にも打撃が期待できる選手が多いということを考えても守備力がより高い源田壮亮(西武)をレギュラーとして考えるのは当然と言えそうだ。
坂本以外の3人も昨年の成績は決して悪いものではないが、全盛期と比べると力が落ちているのは明らかである。彼らよりも年齢が上で、WBCでの優勝経験もあるダルビッシュが選ばれたことで、経験枠が埋まったという影響もありそうだ。
88年世代で最も選出の可能性が高かったのは柳田だと考えられるが、冒頭でも触れたようにコンディションの問題から本人の意思で辞退したと言われている。この4人以外を見ても、昨シーズンの成績とプレーぶりを考えると、間違いなく代表チームに選ぶべきだという選手は見当たらない。メジャーで実績を残した澤村をリリーフでというのも考えられなくはないが、今シーズンの去就が決まっていない状況で選出するというのは現実的ではないだろう。