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森保ジャパン「W杯2大会連続ベスト16」は「1回だけベスト8」より価値あり? 今後は“何とかGS2位突破”を狙うのではなく…
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2023/01/14 11:01
クロアチア戦にPK戦の末に敗れ、ベスト8進出を果たせなかった日本代表。ただし「2大会連続ベスト16」という視点で見てみると?
1998年以降の7大会で、一度でもベスト8入りした国は以下の通り。
7大会:ブラジル(1カ国)
5大会:アルゼンチン、フランス、ドイツ(3カ国)
4大会:イングランド、オランダ(2カ国)
3大会:クロアチア(1カ国)
2大会:ウルグアイ、ポルトガル、スペイン、ベルギー、イタリア(5カ国)
1大会:アメリカ、トルコ、セネガル、モロッコ、デンマーク、コスタリカ、ウクライナ、ガーナ、パラグアイ、コロンビア、スウェーデン、韓国、ロシア(13カ国)
25カ国が過去7大会でベスト8入りしている。
「2大会以上続けてベスト16入り」した国はどれくらい?
一方、1998年以降の7大会で2大会以上続けてベスト16入りした国は以下の通り。
ブラジル、アルゼンチン、フランス、ドイツ、イングランド、オランダ、クロアチア、ウルグアイ、ポルトガル、スペイン、ベルギー、デンマーク、イタリア、アメリカ、スイス、ガーナ、パラグアイ、コロンビア、スウェーデン、チリ、メキシコ、日本。
以上、22カ国。つまり、「1度だけベスト8入り」するより「2大会連続でベスト16入り」する方が難しい。
さらに言えば、4位くらいまでならダークホースがのしあがることは時折ある。
1958年の自国開催で準優勝したスウェーデン、2002年大会で3位に食い込んだトルコと4位に入った韓国、カタール大会で4位に入ったモロッコなどだ。しかし、この4カ国において、過去7大会で2大会以上続けてベスト16入りしたのはスウェーデンだけ。連続して“平均点”以上をあげられないでいる。
重要なのは、一度だけ上位に食い込むことではなく、コンスタントに好成績をあげること――。こう考えると、日本はすでにベスト8入りより価値がある成績を残していると考えていいのではないか。
「GS首位→ラウンド16で圧倒してベスト8」を目指すべき
日本が今後、目指すべきなのはまずベスト16の常連となり、ひいてはベスト8の常連となることだ。そして、いつもベスト8に入っているような国は、自ずと優勝候補の一角となっている。
そのためには「GSで何とか2位以内に入り、ラウンド16の一発勝負でうまくやって何とか勝つ」という虫のいい考え方をするのではなく「GSを首位で突破し、ラウンド16で他のグループ2位の国を圧倒してベスト8入りすること」を目指さなければならない。
その意味でもカタール大会をGS首位で通過したことは非常に大きな価値がある。日本がGSを首位で突破したのは2002年に次いで2度目だったが、2002年大会は開催国だったのでGSでトップシードされていた。開催国特権なしで首位突破したのは、カタール大会が初めてだったからだ。