熱狂とカオス!魅惑の南米直送便BACK NUMBER
森保ジャパン「W杯2大会連続ベスト16」は「1回だけベスト8」より価値あり? 今後は“何とかGS2位突破”を狙うのではなく…
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2023/01/14 11:01
クロアチア戦にPK戦の末に敗れ、ベスト8進出を果たせなかった日本代表。ただし「2大会連続ベスト16」という視点で見てみると?
仮にカタール大会で日本が初のベスト8入りを達成していたとしても、世界のフットボール関係者、メディア、ファンがただちに日本を強豪国とみなすことはなかっただろう。1試合だけ、あるいは1大会だけサプライズを起こした例はこれまで多々あったし、これからも起きるに違いない。重要なのは「継続性」なのである。
メッシ、ネイマールを擁した南米2大強国ですら
日本サッカー協会は「2050年までに日本でW杯を開催し、その大会で優勝すること」を目標に掲げている。しかし、2050年まであと27年、W杯として7大会しかない。
アルゼンチンは、1986年大会で天才マラドーナを擁して2度目の優勝を達成してからまた世界の頂点に立つまで、実に36年を要した。2006年大会から天才メッシが出場していたにもかかわらず、である。
ブラジルは、2002年大会で5度目の優勝を遂げて以来、常に優勝候補に挙げられているにもかかわらず、5大会続けて優勝を逃している。2014年から3大会連続でネイマールが出場しているにもかかわらず、である。仮に2026年大会で優勝したとしても6大会、24年を要したことになる。
これから日本が初優勝を遂げるまでにはベスト8、ベスト4、決勝進出、そして優勝という未知なる4ステップが横たわる。日本に残された時間は、決して多くない。#3以降では、日本のフットボールが強化のスピードを急激に高めるには何をすべきか、を考えてみよう。
<#3につづく>