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日本代表は「カタールW杯が史上最強」「予選で苦しむが“W杯だとアジア最強”。欧州・南米と比べて…」データで浮かぶ“世界での現在地”

posted2023/01/14 11:00

 
日本代表は「カタールW杯が史上最強」「予選で苦しむが“W杯だとアジア最強”。欧州・南米と比べて…」データで浮かぶ“世界での現在地”<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

ドイツ、スペインを撃破するなどカタールW杯で奮闘を見せた日本代表。ここから次のステップに進むために必要なものを考えた

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沢田啓明

沢田啓明Hiroaki Sawada

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 日本代表はカタールW杯でアジア史上初となる「2大会連続決勝トーナメント進出」を果たした。その一方でベスト8以上、さらには「2050年大会での初優勝」を達成するためには何が必要なのか。ブラジル在住の著者が各種データや南米の強国、育成年代指導者の言葉などを参考にしながら考えてみた(全4回のうちの1回目/#2#3#4も)

 日本サッカー協会が、日本代表・森保一監督との契約を2026年ワールドカップ(W杯)まで延長した。

 W杯カタール大会で、目標に掲げていた「ベスト8以上」の成績を残すことはできなかった。「攻撃の戦術に乏しい」、「選手が欧州で経験を積んでいるのに、監督は国内での経験しかない」などの批判から、留任に反対する声が一定数あった。

 その一方でドイツ、スペインという過去にW杯で優勝した強豪国をグループステージ(GS)で倒し、コスタリカには敗れたものの、GSを首位で突破。ラウンド16で、2018年大会で準優勝し、カタール大会でも3位に食い込んだクロアチアとほぼ互角に戦い、延長、PK戦の末に惜敗した。この成績と内容を高く評価する声も多い。

過去7大会のW杯成績を振り返ってみると

 成績は2勝1分1敗、得点5、失点4で得失点差は+1。1試合平均得点が1.25で、失点は1.0だ。

 GSを突破した16チームの中で1試合平均得点は8位タイだが、失点は少ない方から6位タイ。優勝したアルゼンチンが得点2.1、失点1.1、準優勝のフランスは得点2.3、失点1.1だから、日本の平均失点はアルゼンチン、フランスよりわずかに少ない。しかし、平均得点はかなり見劣りする。

 攻撃力が物足りなかったのは確かで、だからこそ「攻撃の戦術に乏しい」という批判が出てくるのだろう。

 日本が初めて参加した1998年以降の7大会の成績、FIFAが制定した最終順位を比較してみる。最後の国名は日本が勝利した相手。

 98年:3敗/勝点0、1得点4失点、得失差-3、30位/なし
☆02年:2勝1分1敗/勝点7、5得点3失点、得失差2、9位/ロシア、チュニジア
 06年:1分2敗/勝点1、2得点7失点、得失差-5 28位/なし
☆10年:2勝1分1敗/勝点7 4得点2失点、得失差2 9位/カメルーン、デンマーク
 14年:1分2敗/勝点1、2得点6失点、得失差-4、29位/なし
☆18年:1勝1分2敗/勝点4 6得点7失点、得失差-1、15位/コロンビア
☆22年:2勝1分1敗/勝点7、5得点4失点、得失差1、9位/ドイツ、スペイン

 注:☆がGSを突破したときの成績。120分戦って同点だった場合、PK戦の結果にかかわらず「引き分け」扱いとなる。

 カタール大会の成績は勝利数、勝点、順位が02年、10年と同じで最高タイ。ただし、得失点差は02年と10年に1及ばななかった。

カタールW杯における日本代表は史上最強だった?

 決勝トーナメント進出を果たしたW杯での結果を簡単に振り返ってみよう。02年は自国開催だったことからGSでトップシードの扱いを受け、対戦相手に恵まれた。地の利もあってGSを首位で突破したが、ラウンド16でトルコに屈した。2010年大会では、GSを2位で突破。ラウンド16は延長、PK戦の末にパラグアイに敗れた。

 2018年大会は、1勝1分で迎えたGS最終節で最下位ポーランドに先制を許した。試合終盤の時点でセネガルと勝ち点、得失点差、得点、直接対決の成績で並んだが、反則ポイントの少なさで上回っていたことから「そのままの状況で負けることを望んで時間稼ぎをする」苦肉の策を取らざるをえなかった。目論み通りグループ2位となり、ラウンド16で強豪ベルギーに2点のリードを奪ったが、そこから連続3失点。大逆転負けを喫した。

【次ページ】 W杯の舞台に立つと日本は“アジア最強”に変身する

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