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「キャプテン、佑都くんは見ていて…」堂安律24歳が目指す先輩・吉田&長友からの“継承”「2人に共通しているのは“安心感”と“説得力”」 

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佐藤俊

佐藤俊Shun Sato

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photograph byKiichi Matsumoto/JMPA

posted2022/12/08 17:02

「キャプテン、佑都くんは見ていて…」堂安律24歳が目指す先輩・吉田&長友からの“継承”「2人に共通しているのは“安心感”と“説得力”」<Number Web> photograph by Kiichi Matsumoto/JMPA

クロアチアに敗れた翌日、堂安に話を聞くと、日本サッカーの理想と現実を語り、カタールで長い時間をともにした先輩への感謝を口にした

「ドイツ、スペインでやった戦い方は、僕たち選手がやりたいことじゃなかった。勝つ可能性を高めるために採った手段であって、それが理想としているサッカーではないんです。でも、コスタリカやクロアチアといった、ボールを持たせてくれる相手に対して攻撃のアイデアがなかったのは、課題だと思います。僕は強豪国相手にワールドカップという舞台で、90分間ボールを保持して勝ちたいという理想があるので、次の4年間では積み重ねるべきものがたくさんありますね」

堂安の言葉で思い出した12年前の南アフリカW杯

 堂安の言葉に12年前のことを思い出した。

 2010年南アフリカW杯で日本は阿部勇樹をアンカーに置く守備的サッカーでベスト16に進出した。だが、このサッカーでは、ベスト16が限界だと選手は感じ、ザッケローニ監督になった後、本田圭佑、香川真司、岡崎慎司、遠藤保仁らが中心となってポゼッションサッカーで世界と戦うことを目指した。だが、ブラジルW杯ではグループリーグ敗退を喫し、ポゼッションサッカーで世界を驚かすことができなかった。堂安は、クロアチア戦が終わった後、南アフリカW杯からポゼッションに変化し、ブラジルW杯で敗れた話を板倉滉ら数人としたという。

「南アフリカW杯が終わってから本田さんを先頭に理想を追い求めて、ブラジルW杯で敗退したのを経験している選手が話をしてくれましたし、滉とも食事の際に話をしました。僕は、やっぱり理想を求めてW杯で勝ちたい。これまでの大会とはメンバーが違うし、僕たちはそれができるポテンシャルを持っていると思うんで。ただ、この大会での粘り強い守備とか、出来た部分はベースとして持っていなければならない。そのベースを持ちながら理想を追い求めるのがいいかなと思います」 

 その理想を追い求めるためには、各選手が身につけなければならない要素がある。

堂安が重要視する“戦術理解度”

「技術、身体能力を高めるのはもちろんですけど、僕は戦術理解度が大きいと思います。スペインは、それほど能力が高くないですけど、あれだけボールを保持できるのはポジショニングだったり、選手同士の意思疎通だと思うので、それは日本人だと間違いなくできること。次の4年間で個人としてもチームとしても求めていかないといけないところだと思います」

 世界と戦い、自分の立ち位置を知り、日本が今後目指すべきスタイルが見えてきた。それらは堂安がプレイヤーとしての総合的なレベルを押し上げていくために必要な要素になるのだが、今回はもうひとつ成長に欠かせないものがあった。

【次ページ】 キャプテンや佑都くんみたいな人は、今の若い選手にいない

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