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「完治したら、早い自信あります」紀平梨花20歳、五輪断念からわずか4日間のジャンプ練習で全日本の切符を獲得! 再び世界への展望も明かす 

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野口美惠

野口美惠Yoshie Noguchi

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posted2022/09/27 11:20

「完治したら、早い自信あります」紀平梨花20歳、五輪断念からわずか4日間のジャンプ練習で全日本の切符を獲得! 再び世界への展望も明かす<Number Web> photograph by AFLO

525日ぶりの公式戦・中部選手権で6位となり全日本選手権の切符を手にした紀平梨花。世界選手権への展望も明かした

「やっと羽生さんのスケーティングが納得できました」

 実はこの基礎スケーティングレッスンは、紀平がオーサー門下生を希望した大きな要因の1つである。

 2012年に羽生結弦がトロントへ渡ったときも、ジャンプをさせてもらえずスケーティングの練習ばかりしたというほど。昨年9月にチーム入りした紀平は、レッスンを受けてこう感じたという。

「今まで綺麗だと思っていたスケーティングが、無駄に力を使っていたことが分かりました。ちゃんとエッジを使って、一番滑るポイントに体重をかけることで、氷のスピードをつかめるんです。全力で押さないので、省エネで、プログラムの中で力配分も出来ます。トロントでの練習を受けて、やっと羽生さんやハビエル・フェルナンデスさんたちのスケーティングが納得できました」

 昨年9月以降受けてきた基礎レッスンの効果を感じたのは、今年4月のアイスショーの時だ。

「ブライアンとトレーシー(・ウィルソン)から注意されてきたスケーティングを、プログラムの中でも出来るようになってきて、少し変わったかなと思いました。プログラムでもちゃんと息を整えながら、無駄に疲れない滑り方が定着しつつあると思います。無意識でも出来るようになるまで頑張ります」

 その後、5月上旬のアイスショーで再び右足首に痛みがあったことから、今季の開幕に向けては完全に氷から離れることに。その間は、陸上でのトレーニングに取り組んだ。

「パーソナルトレーナーをつけて陸トレをしたり、ピラティスをして、いつでもジャンプを跳べる感覚を持っていようと思いました」

全日本選手権で上位に入って…

 今季の復帰に向けて、グランプリは10月のスケートカナダと11月のヘルシンキ大会にエントリー。しかし昨季の出場がない紀平は、全日本選手権へのシード権が得られず、地方大会である9月の中部ブロックを通過することが必須とされた。

「本当は足のことだけ考えたら、ぶり返したくないのでブロック大会は出たくない。でも全日本選手権を捨てることは無理なので、なんとか悪化させないように出場して、通過しなければ。全日本選手権で上位に入って、世界選手権や四大陸選手権に早く復帰したいです」

【次ページ】 525日ぶりの公式戦。不安要素のある中で…

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