「やっぱり練習不足、シミュレーション不足はありました。アクセルで点が入らなかったので、『本当に通過できるかな』とドキドキしましたが、通っていてよかったです」

「完治させたら、早い、という自信はあります」

　改めて、自分の滑りを振り返る。

「『タイタニック』のプログラムは、作ってから時間がたっているので、滑りは馴染んできていたと思います。それに去年、カナダに行ってからスケーティングは休み無く練習してきていました。自分ではどう見えているか分かりませんが、その効果が出ている演技だったら良いなと思います」

　実際のところ、3回転を1種類に押さえていながらも、スケーティングスキルは7点、構成、プレゼンテーションは7点台後半をマーク。国際大会への足がかりとなる評価だった。10月のスケートカナダに向けては、拠点となるトロントに戻り、オーサーやトレーシー・ウィルソンのもとで強化に努める。

「完治させたら、早い、という自信はあります」

　そう言い切る。それはあえて強気になって言い聞かせているという感じではなく、自然と内面から湧き出る自信だった。4カ月ものあいだ氷に乗らなくても、わずか4日のジャンプ練習でここまで仕上げたのだ。トロントには、トリプルアクセルや4回転サルコウの名コーチ達も待っている。

「早く完治させて自信をもって試合に出たいです。私の目標はもっと上なので、たくさん練習を積めるようになったら、もっともっと上を目指したいです」

　完治の先に待つ、新たな飛躍を予感させた。
 

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