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ラミレスに聞く“成功する助っ人”の条件…「刺身や寿司を食べられる選手」の真意 「14球団にするべき」球界へ提言も 

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佐藤春佳

佐藤春佳Haruka Sato

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photograph byShigeki Yamamoto

posted2022/07/15 11:02

ラミレスに聞く“成功する助っ人”の条件…「刺身や寿司を食べられる選手」の真意 「14球団にするべき」球界へ提言も<Number Web> photograph by Shigeki Yamamoto

ラミレスが語る日本プロ野球の魅力と今後への提言。そして外国人選手が成功するための「キーワード」とは?

「野球に対するリスペクトがあるし応援も独特。それが選手のモチベーションになっています。外国人が初めて来日すると、最初の2、3カ月は凄くストレスがかかるんです。でも日本のファンは結果が出なくても毎日応援してくれる。あの野球文化は素晴らしいと思いますよ」

 来日1年目から活躍し、ヤクルトのリーグ優勝と日本一に貢献したラミレス氏。日本の野球にすぐに馴染めた一番大きな理由は、自分の意識を「教える」から「学ぶ」に切り替えられたことだと振り返る。

「メジャーリーグを経験した外国人選手の多くは、『日本人に野球を教えてあげるんだ』という意識でいると思います。実は私も最初はそうでしたが、成功するには日本の野球に適応しなくてはならない、日本の野球から学ばなければいけないと早い段階で気づいたんです」

 とはいえ、当初は戸惑いもあった。ラミレス氏が感じていた日本プロ野球の“ここがヘンだよ”という違和感とは?

「まず来日してショッキングだったのは、沖縄キャンプの1日目から凄くハードなトレーニングをやらされたこと(笑)。朝早くから夜遅くまでありました。あとは初回に送りバントをするのは何でだ? とクエスチョンマークがつきましたね。これは多くの外国人選手の“ここがヘンだよ”の筆頭にくるんじゃないかな。私はのちに監督を経験したことでその理由が分かりましたが、それにしても他に方法はあるだろう、と今でも思っていますよ」

監督時代に取り組んだ「2番打者の変革」

 試合の序盤でも犠打で走者を進め確実に1点を取りに行く。高校野球では今も定石の采配は、ほんの10年前までプロ野球でもしばしば見られた。ちなみに、のちにベイスターズの監督に就任したラミレスがそんな日本野球の“ここがヘンだよ”に一太刀浴びせるべく打ち出したのが「2番打者の変革」だったという。

「それまでの日本流のスモールベースボールでは、2番打者には小柄で小技ができる選手を入れていた。犠打や進塁打で自分が犠牲になって何とか1点をもぎとるという戦法ですが、それを変えるにはどうしたらいいか、その答えが一番いい打者を2番に置くということでした。2番、3番、4番がチームの主軸になれば早い回にバントをしなくても得点する確率が上がります」

【次ページ】 「刺身やお寿司を食べられる選手に成功する例が多い」

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