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藤井聡太22歳「じつは凄まじい」“七冠以上”期間の長さ…観る将マンガ家が感動した将棋名場面「美しく強い母・福間香奈女流五冠もスゴい」

posted2025/04/02 06:00

 
藤井聡太22歳「じつは凄まじい」“七冠以上”期間の長さ…観る将マンガ家が感動した将棋名場面「美しく強い母・福間香奈女流五冠もスゴい」<Number Web> photograph by 日本将棋連盟/Junsei Chida

3月の将棋ハイライト。イラストは関連記事などからご覧になれます!

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千田純生

千田純生JUNSEI CHIDA

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日本将棋連盟/Junsei Chida

 藤井聡太七冠を筆頭に2025年も話題満載の将棋界。漫画家で夫婦ともども「観る将」の千田純生先生に先月のハイライトをイラストで描いてもらいました。

 新年度が始まりました! 桜満開から一転して、冬のような寒さのスタートですが……2024年度の締めくくりを迎えた将棋界の3月について、マンガで振り返っていきましょう。

1)冬の2タイトル防衛…藤井“七冠以上”の期間は?

 将棋界の八大タイトルで、冬季に行なわれる王将戦と棋王戦がそれぞれ3月に決着しました。藤井聡太七冠がそれぞれ挑戦者の永瀬拓矢九段(王将戦/4勝1敗)、増田康宏八段(棋王戦/3勝0敗)を下し、七冠を維持しました。3月8、9日に開催された王将戦の第5局の会場は、渋沢栄一の故郷で知られる埼玉県深谷市の旧渋沢邸「中の家」。そこで藤井王将は公式戦で初めて2手目に「3四歩」を指し、研究パートナーで知られる永瀬九段相手に勝利をものにしました。その強さたるや!

「気になって〈七冠〉について調べてみたんですが、じつは……」

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 こう話す編集担当さんがトリビアを教えてくれました。

「1996年に現将棋連盟会長の羽生善治先生が七冠を保持した期間は168日。“全冠保持”で見た場合、藤井八冠でいた期間は〈254日〉で、それを超えた時点でまずスゴいですよね。それに加えて七冠を保持した状態は2023年6月1日の名人獲得から、すでに1年10カ月も経過しているんです。4月から始まる名人戦で防衛を果たせば〈2年間にわたって七冠以上である〉ことになります。その安定した強さ、恐れ入ります」

 たしかにこの期間は凄まじい……。将棋の新たな可能性を探ろうとする藤井将棋、再び世間の皆さんに楽しんでほしいなと心から思います。

2)名人戦に叡王戦…新年度も注目カードが

 藤井七冠のタイトルについていえば、NHK杯も2期ぶり2回目の優勝を果たしました。

 藤井七冠と「格調高い!」でおなじみかつ妻氏が激推しの郷田真隆九段が盤を挟む姿、そして誰にもわかりやすく聞いていて心地よい羽生九段の解説と聞き手の鈴木環那女流三段のコンビ。将棋を楽しむための場を完璧に作り上げていました。それに加えて……。

【次ページ】 3)母になって以降も…福間女流五冠が強すぎる

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