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「ブラジルは三笘薫を研究していたが…」「南野拓実を“偽CF”にしては?」三都主アレサンドロが考える“W杯仕様の日本代表オプション提案”
posted2022/06/10 11:04
text by
沢田啓明Hiroaki Sawada
photograph by
Kiichi Matsumoto/JMPA
元日本代表の左SB三都主アレサンドロは、現在、生まれ故郷であるブラジル南部マリンガで愛知県の人材派遣会社が出資したプロクラブ(アルコ・スポーツ・ブラジル。今季、パラナ州2部で優勝し、来季から1部)のCEOを務めるかたわら、自ら立ち上げた選手育成クラブ「三都主サッカーアカデミー」を運営している。後編では「元日本代表」としての立場からサムライブルーについて語ってもらった。
長友の右SB起用は守備力、勝負強さに懸けたのだと
――日本代表の先発メンバーについての感想を。
「右SBは酒井宏樹が故障しており、対面するブラジルの左ウイングは爆発的なスピードを持つビニシウス(レアル・マドリー)。誰を起用するか注目していたんだけど、ベテランの長友佑都だったね。彼の経験、対人守備能力、そして勝負強さに懸けたんだと思う。そして、左SBがこれまで長友の控えだった中山雄太。彼も能力が高い選手。
中盤の3人は、僕は遠藤航、田中碧、守田英正がベストだと思う。ただ守田が体調不良だったので(※負傷のため途中離脱)、攻守両面で貢献する原口元気が先発したんだね。センターフォワードのファーストチョイスは大迫勇也だと思うけど、クラブでやや不調ということで、スピードがあって裏へ抜け出すのがうまい古橋亨梧。上田綺世、前田大然らを押しのけての先発で、期待していた」
――日本の守備をどう見ましたか?
「これまで見たことがないくらい、人数をかけて守っていた。しかも反則を交えて、激しく。これはやっぱり、韓国から5得点を奪ったブラジルの攻撃力を警戒したからだろうね。
長友はビニシウスにほとんど突破を許さなかった。見事だった。板倉滉もネイマールと激しく渡り合い、かなり抑えていた。そして、GK権田修一の数々のファインセーブがチームを救った。遠藤も、1対1の強さを十分に発揮していた」
――その一方で、攻撃は?
「あれだけ人数をかけて守り、しかもボールを回収するのが自陣であることが多かった。相手ゴールまでは、相当な距離がある。高い位置でボールを奪ってショートカウンターを仕掛けられたら良かったんだけど、中盤で前を向いてボールを持てる場面がなかなか作れない。このため、ブラジル守備陣の裏のスペースへパスを出して伊東(純也)や古橋のスピードを生かすことができなかった」
日本の武器である「サイド攻撃」についてどう思った?
――日本の最大の武器であるサイド攻撃をどう思いましたか?