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「藤井竜王、森内九段を当てて嬉しそう」「は、羽生先生が…ぶっ飛んでる!?」観る将マンガ家が描く《4月の将棋ハイライト》
posted2022/05/02 11:03
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
Junsei Chida
4月は、人間将棋を現地取材して大いに楽しかったわけですが……新年度に入って公式戦、さらにはゴールデンウィークに入ってイベントも実施されています。活気ある将棋界の春をイラストで振り返っていきたいと思います!
1)渡辺名人、藤井叡王の強さを見たタイトル戦
まずはタイトル戦から。2つのタイトル戦が進行中です。
<第80期名人戦/渡辺明名人vs斎藤慎太郎八段>
第1局(6、7日):107手で渡辺名人の勝利
第2局(19、20日):132手で渡辺名人の勝利
<第7期叡王戦/藤井聡太叡王vs出口若武六段>
第1局(28日):93手で藤井叡王の勝利
今のところ、王者2人が貫禄を見せつけていますね。順位戦A級で順調に勝ち星を積み重ね、2期連続となる名人挑戦の斎藤八段に対して、渡辺名人が連勝する辺りはさすがというか……。
藤井叡王は公式戦となると3月9日の順位戦以来、1カ月半以上もの間隔が。ここ数年は連日のように対局があったので「人間将棋で見たけど、そう言えば久々に藤井叡王の中継だな」と思って両者1分将棋になった対局を観戦していましたが、タイトル戦はこれで11連勝。本当に安定して強い……。
ただ「西の王子」として人気が高い斎藤八段の反撃、そしてプロ4年目でタイトル戦に挑んでいる出口六段の2局目以降にも期待したいです。
2)羽生九段らの“ぶっ飛んだ”ネット配信企画
公式戦以外のネット配信も充実して楽しめる1カ月でした(人間将棋を見た方も多かったかと思います)。
29日に開催されたニコニコ超会議2022の「チーム対抗詰将棋カラオケ」を初めて見て、ちょっとしたカルチャーショックを受けました。
ここ数年で将棋ファンとなった自分たちも「電王戦」などの存在は聞いてはいました。ただこんな感じのぶっ飛んだ企画(いい意味で)、昔からやっていたとは……。おやつなどにも注目が集まるきっかけとなったという意味で、今の将棋中継のフォーマットを作った貢献度の高さを感じます。
そんな詰将棋カラオケ、棋士のみなさん全力で歌ってましたし、金井恒太六段がかなり上手かったと話題になっています。さらに戸辺誠七段のツイッターを見ると、屋敷伸之九段が歌っているところを、弟子の伊藤沙恵女流名人がスマホ越しにうっとりしながら見ている姿も印象的でした。