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将棋PRESSBACK NUMBER
藤井聡太竜王「大変参考になったで“ござる”」初出演した《人間将棋》を現地取材… 観る将マンガ家が超楽しんで描いてみた
posted2022/04/25 17:01
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph by
Junsei Chida
「藤井聡太竜王、人間将棋に出演決定!」
このようなニュースが流れたのは、関東で桜が咲くどころかまだまだ寒い時期だった記憶があります。毎年、山形県天童市で実施されている「人間将棋」、もらった資料によると《昔、太閤秀吉が小姓と腰元を将棋駒に見立てて、対局者の指し手通りに動かし、野試合を楽しんだ》とのこと。
それを継承して、昭和31年から天童市で実施されていて、平成3年から武士姿のプロ棋士が指していく形となったそうです。
過去には若き日の羽生善治九段や森内俊之九段、渡辺明名人らが出演し、大山康晴十五世名人や中原誠十六世名人、米長邦雄永世棋聖に加藤一二三九段に谷川浩司九段も解説で登場と、将棋界がとっても大事にしているイベントなのだと知りました。
その「人間将棋」が3年ぶりに開催決定! という嬉しいニュースとともに、そこになんと藤井竜王も参加すると発表されたわけです。
コロナ禍を経て“観る将”となった僕たち夫婦も「よし、せっかくなら観覧申し込みしてみるか!」と一念発起してみたところ、観客は各日会場観戦660人、パブリックビューイング観覧550人限定のところ、藤井竜王が登場する第2日は約2万人の応募があったようです。そりゃ当たるわけないよ……と諦めていたら。
「取材申請してみたら、OKが出たのでいかがでしょう?」
担当さんからまさかの報告が! 喜び勇んで(妻氏の突き刺さる視線を感じながら)、4月17日に将棋の町・天童へと足を運びました。日帰りとはいえ、あまりにも記憶に残る出来事が多く、毎月恒例の将棋ハイライトのようにイラストという形で描き残しておこうと思います。
天童駅到着とともに「将棋の町」っぷりをお見舞いされる
東北新幹線で首都圏から2時間30分ほど。福島と山形の県境では「車窓の外、雪残ってますよね? 僕らちょっと薄着なんですけど」と車内で軽く震えていたんですが、天童駅に到着すると、雲ひとつない快晴。そして「東口・西口の案内が駒になってる! 駅に将棋資料館が併設されている!! ポストの上に王将駒が備え付けられている!!!」と、いきなり将棋の町をお見舞いされることに(笑)。
最高の天候の中で一大イベントを見られることに感謝感激しながら、駅前に停まっていたシャトルバスに乗り込み、目の前にそびえ立つ会場の舞鶴山へと向かいました。