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「藤井竜王、森内九段を当てて嬉しそう」「は、羽生先生が…ぶっ飛んでる!?」観る将マンガ家が描く《4月の将棋ハイライト》
text by
千田純生JUNSEI CHIDA
photograph byJunsei Chida
posted2022/05/02 11:03
観る将マンガ家・千田先生が描いた「4月の将棋ハイライト」。これまでのイラストは関連記事からもご覧になれます!
さてAリーグでは永瀬拓矢王座率いる「川崎家」が早くも本戦進出決定。日に日にムキムキになっている気がする増田六段、さらに端正な顔立ちで――妻氏の推しに急浮上している“アストン”こと斎藤明日斗五段らの活躍にも期待大です。
3)まさかの“盤外戦術”や感銘を受けた引退局
最後に、タイトル戦以外の公式戦などで印象に残ったシーンを描いていきます。
25日に開催された第93期棋聖戦挑戦者決定戦、対戦カードは渡辺名人vs永瀬王座でした。2人のタイトルホルダーのうち、藤井棋聖に挑むのはいずれか――という熱戦を制したのは、永瀬王座でした。
今もなおABEMAトーナメントの「チームバナナ」の印象が強いのですが(笑)、6期ぶり2度目となる念願の棋聖戦への挑戦権を手にした永瀬王座。ついに実現した藤井棋聖のタイトル戦、楽しみです(永瀬王座はずっと藤井棋聖とのタイトル戦を望んでいましたからね)。夫婦で必ず現地で大盤解説会に参加しようと思っています!
対局以外の部分? で話題になったことと言えば、王将戦一次予選の伊藤五段と窪田義行七段の一局です。
窪田七段の“対局室を自分のテリトリーと化す能力”は以前から秀でていましたが……ついに対局室で“大の字で横になる”という大技を見せましたね(笑)。さすがの“たっくん”も動揺したのか、軍配は窪田七段に上がりました。
こういうのをいわゆる「盤外戦術」というのか……? と窪田七段の執念に驚愕しつつ、いずれはタイトル戦に登場するであろう伊藤五段は、敗戦の中から大きな経験値を得たのでは、と思います。
心を打たれたのは桐山清澄九段の引退局・竜王戦5組残留決定戦です。通算成績996勝958敗、歴代10位の勝利数を積み重ねた74歳の足跡には敬意を払うばかりです。
さらに感想戦を奥でひっそりと見守っていた、豊島九段との師弟愛はとても美しかったですね。さらに最上位の間を譲ったという谷川浩司九段、対局相手として正座し続けた畠山鎮八段の配慮など、将棋界の所作の美しさは観る将の心をいつも引き付けますね。
最後に我が家の近況として――藤井竜王監修の「伊右衛門」を妻氏が嬉しそうに買ってくるので美味しく頂いています(笑)。こんな感じでゴールデンウィークを含めた5月の将棋戦線も楽しんでいきたいと思います!
記事内で紹介できなかった写真が多数ございます。こちらよりぜひご覧ください。