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<W杯対戦国>前回GL敗退のドイツにスキはあるのか? 中村憲剛が“バイエルン+プレミア連合軍”との戦いを展望「FWの選考基準が変わるかも…」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2022/04/06 17:02
ドイツ代表のカイ・ハフェルツ(チェルシー)とハンジ・フリック監督。日本代表は個々のタレント、組織力ともに世界トップレベルの相手とW杯で対峙する
カメルーン戦後に雰囲気が一変した南アフリカW杯
グループステージでは、初戦が大きな、大きな意味を持ちます。
それまで調子の上がらなかったチームは、初戦の戦い方・結果によってマイナスの雰囲気をきれいに払拭することができます。南アフリカW杯の日本代表が、まさにそうでした。直前のテストマッチで負けが続いたことでチームにのしかかっていた重苦しさが、カメルーンとの初戦に勝利したことで消え、チームの雰囲気は文字どおり「ガラリ」と変わりました。
当たり前ですが、雰囲気は形のないものなので、目に見えるわけはありません。しかし、あの勝利によって一体感と高揚感が目に見えるように形作られ、「いけるぞ」というポジティブな集団になっていきました。ひとつの勝利でここまで変わるのかと、試合後のロッカールームの雰囲気を体感した人間として心の底から思いました。
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相手がドイツであろうが、もちろん勝ち点3を狙う戦いをすると思いますが、引き分けでも十分次につながります。戦う前からそんな話をするなと怒られそうですが、実際には「勝ち点1」以上を獲得できれば、第3戦までベスト16入りの可能性をつなげることができます。
名将に率いられた“バイエルン+プレミア連合軍”
もちろん、ドイツから勝ち点を取るのは簡単ではありません。
チームを率いるハンジ・フリック監督は、バイエルン・ミュンヘンをリーグ優勝へ導いた実績を持ち、19-20シーズンのチャンピオンズリーグでは驚異の全勝優勝を飾っています。
代表でもヨアヒム・レーブ元監督の右腕として、ユーロやW杯の舞台を経験し、14年ブラジルW杯では優勝に貢献しました。国内のリーグ戦とチャンピオンズリーグやW杯などのトーナメントの勝ち抜きかたを経験していますし、理解しているとも言えるでしょう。
タレントも揃っています。バイエルン所属のGKマヌエル・ノイアー、MFヨシュア・キミッヒ、レロイ・サネ、ジャマル・ムシアラ、レオン・ゴレツカ、FWセルジュ・ニャブリ、トーマス・ミュラーらに加えて、プレミアリーグでプレーするDFアントニオ・リュディガー(チェルシー)、MFイルカイ・ギュンドアン(マンチェスター・シティ)、カイ・ハフェルツ(チェルシー)、FWティモ・ヴェルナー(チェルシー)ら、フィジカルに優れてテクニックがあり、個人戦術眼も高い選手が非常に多い。ここでは名前をあげなかった選手も、若手からベテランまで多くのタレントが揃っています。