サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
<W杯対戦国>前回GL敗退のドイツにスキはあるのか? 中村憲剛が“バイエルン+プレミア連合軍”との戦いを展望「FWの選考基準が変わるかも…」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2022/04/06 17:02
ドイツ代表のカイ・ハフェルツ(チェルシー)とハンジ・フリック監督。日本代表は個々のタレント、組織力ともに世界トップレベルの相手とW杯で対峙する
西野朗監督のもとでベスト16まで進出した18年のロシアW杯後に森保監督が就任し、日本代表は日本人監督のもとで日本らしい戦いを具現化しようとしてきました。チームとして日本らしさを追求しつつ、多くの選手がヨーロッパのクラブへ羽ばたいて個々の経験値を高め、4-3-3という世界のトレンドを意識した戦いを最終予選の途中から作ってきました。
世界のトップ・オブ・トップにいるドイツとスペインとの真剣勝負は、日本サッカー界にとってここ十数年積み上げてきたものに対するある種の“解答”が出る戦い、色々なものが見える戦いになるのではないかと思っています。
ドイツが“4年前の失敗”を繰り返すことは考えにくい
グループステージでは、対戦する順番もとても大切です。
ADVERTISEMENT
ドイツやスペインのように優勝を狙う国は、初戦にピークを持ってくるイメージはありません。特にスペインはスロースターターの印象があります。
世界の頂点に立った10年の南アフリカW杯では、スイスに敗れて黒星スタートでした。14年はオランダに1対5の大敗を喫していて、18年はポルトガルと3対3で引き分けています。
ドイツも18年はメキシコに0対1で敗れました。第2戦でスウェーデンを2対1で下したものの、韓国との第3戦を0対2で落としました。ドイツにとって史上初めてグループステージ敗退を喫した4年前の記憶は、「同じ失敗を繰り返さない」という教訓になっているでしょう。東アジアの国にまた負けるわけにはいかない、というプライドも強烈に立ち上がって、日本戦に向けてしっかりと準備してくるのではないでしょうか。
今回は11月開幕なので、ヨーロッパの国々はシーズンインから数カ月後のW杯となります。主力の多くがヨーロッパでプレーしている南米やアフリカの国々も、コンディション調整には苦労しないでしょう。
日本もヨーロッパでプレーする選手は同じメリットを享受できますが、Jリーグで戦っている選手たちはシーズン終了後です。これまで世界のほとんどのチームがコンディション調整で感じていた難しさを、今回は日本の国内組が感じるわけです。いずれにしても、対戦相手は過去の大会よりもコンディションがいい状態で臨むのでないかと思いますし、ドイツとスペインもそのなかに含まれています。