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<W杯対戦国>前回GL敗退のドイツにスキはあるのか? 中村憲剛が“バイエルン+プレミア連合軍”との戦いを展望「FWの選考基準が変わるかも…」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byGetty Images
posted2022/04/06 17:02
ドイツ代表のカイ・ハフェルツ(チェルシー)とハンジ・フリック監督。日本代表は個々のタレント、組織力ともに世界トップレベルの相手とW杯で対峙する
森保監督はアジア予選の中で、相手を見ながらボールを握る戦いや前からプレスをかけ相手の時間を奪う戦い、時間帯によってブロックを作ってカウンターを狙う戦いなど、遅攻と速攻を使い分けられるチームを作ろうとしてきました。そのなかでドイツやスペインのような確固たるスタイルを持つチームから勝ち筋を見つけようとするのなら……。相手をリスペクトしすぎて低く構える戦い方は、逆に相手を楽にしてしまう恐れがあります。
ブンデス経験者の多さは「間違いなくプラス」
ともあれ、何が起こるか分からないのがW杯です。18年ロシアW杯のコロンビア戦で、開始早々に相手が退場者を出すとは、誰にも想像できませんでした。ただ、立ち上がりから日本が受けに回らず、引かずに積極的にプレスへいき、スキを逃さなかったからこそ生まれたプレーでもあります。
森保監督とスタッフの皆さんは、組合せが決まった瞬間から準備に取り掛かっていると思います。選手たちも戦う相手の顔が見えたことで闘志を新たにしているでしょう。
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日本代表にはドイツでプレーしている選手が多く、原口元気、遠藤航、浅野らが1部で、板倉滉と田中碧が2部でプレーしています。大迫勇也や酒井宏樹のように、ドイツでプレーしていた選手もいます。
ドイツ代表選手と実際に戦ったことのある彼らは、相手を知っているからこそやりやすいと感じるのか。あるいは、知っているだけに難しさを覚えるのか。どちらのメンタリティになるのかは分かりませんが、相手のクセなどを知っているのは間違いなくプラスです。
グループステージ初戦のピッチに立つ瞬間は、日本もドイツも同じ立場です。その時点ではFIFAランキングも関係ありません。
ですから、試合の入りがとても大事になると思います。アグレッシブにいくのか、少し構えていくのか、それだけでも試合の構図は変わります。「日本は簡単な相手ではない、これは厄介だ」と思わせることが、ドイツのリズムを崩すことにつながります。リズムが崩れれば、スキが生じてきます。初戦の入りは大会全体の入りにもつながります。ドイツとの初戦で、いい流れを作りたいですね。<スペイン編へ続く>