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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「三笘薫の使い方に答えを」中村憲剛が展望するW杯本大会の“システムと選手選考”「ドラスティックなメンバーの入れ替えは…」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2022/04/01 17:06
アジア最終予選でインパクトを残した三笘薫。W杯本大会では、対戦相手のスカウティングを前提とした起用法が求められる
CFの序列もここからどうなるか。大迫勇也なのか、浅野拓磨なのか、上田綺世なのか、前田大然なのか、それとも古橋亨梧なのか。あるいは、彼ら以外の選手なのか。ここから先のテストマッチで固めていかなければなりません。
FWは調子が反映されるポジションなので、最終的な絞り込みのタイミングで好調さをアピールしている選手が選ばれる、ということも考えられます。その場合は、その選手がどうやって点を取っているのかを、注意深く見ていく必要はあります。周りとの連携で得点を量産しているなどの場合は、そのFWだけを招集してもうまく連動しない可能性があります。
今回のW杯は11月下旬に開幕するので、Jリーグはシーズン終了後になります。国内組はシーズン終了後で、しかもより過密日程のなかで戦っているので、当然ながら疲弊しているでしょう。
一方、海外組はシーズン開幕から2、3カ月が過ぎ、コンディションは上がってきています。メンバー選考に当たっては、それも判断材料のひとつにはなるかもしれません。もちろん、国内組、海外組を問わずに大前提となるのは、所属クラブでしっかりと試合に出ていることです。
ドラスティックなメンバーの入れ替えは考えにくい
森保監督の発言を見聞きしていると、チームの一体感をとても大切にしていると感じます。W杯開幕まで8カ月を切っているということも踏まえると、ここからドラスティックにメンバーを入れ替えるとは考えにくい。まずは6月の4試合でここからコアメンバーになると思われる選手たちにここまで出場機会の少なかった選手や招集したことのない選手を限定的に招集し、どう絡むのかを見ていくのではないかと思います。
いずれにしても、最終予選できっちり出場権を確保したことで、W杯本大会まで強化が継続されていくことになりました。W杯の舞台に立つという大きな目標に向かって、選手たちはここからさらにレベルアップをしていくと思います。結果的にそれが、日本代表はだけでなく日本サッカー全体の水準を上げていくことにつながります。
最終予選突破はあくまでも通過点であり、大切なのはここからです。ここから先もさらなる成長を期待して、日本代表を見守っていきたいと思います。<前編から続く>