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「三笘薫の使い方に答えを」中村憲剛が展望するW杯本大会の“システムと選手選考”「ドラスティックなメンバーの入れ替えは…」

posted2022/04/01 17:06

 
「三笘薫の使い方に答えを」中村憲剛が展望するW杯本大会の“システムと選手選考”「ドラスティックなメンバーの入れ替えは…」<Number Web> photograph by Takuya Sugiyama/JMPA

アジア最終予選でインパクトを残した三笘薫。W杯本大会では、対戦相手のスカウティングを前提とした起用法が求められる

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中村憲剛+戸塚啓

中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka

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 11月のカタールW杯本大会まで、残された時間はそれほど多くはない。限られた強化の機会のなかで、森保一監督率いる日本代表はどのように「最適解」を求めていけばよいのだろうか。元日本代表MF中村憲剛氏が、今後のシステムと選手選考を展望する。(全2回の2回目/前編へ)

◆◆◆

 ベトナム戦の後半に使った4-2-3-1は、2次予選や最終予選の最初の3戦で使用されていたシステムです。いま現在のメンバーのタイプを考えても、W杯本大会でオプションのひとつになるでしょう。遠藤航、守田英正、田中碧の3人はダブルボランチもできて、遠藤と守田、遠藤と田中、守田と田中のどの組合せもクオリティが高い。

 トップ下には南野拓実と久保建英がいます。4-3-3なら左に南野と三笘薫、右に伊東純也と久保と、タイプの異なる選手を2枚ずつ持つことができます。鎌田大地や堂安律も控えています。

 選手の顔触れを見れば、3-4-3も可能でしょう。戦術の引き出しは多ければ多いほどいいのですが、増やし過ぎると一つひとつの練度が薄まってしまいます。ここのバランスが非常に難しく、悩ましいのです。

 ここから6月に4試合、9月に2試合を消化しますが、合計6試合でいくつの形をモノにできるか。W杯で使えるレベルのオプションをいくつ持てるのかが、とても大事になります。

 テストマッチなので結果はともかく割り切ってオプションにトライをしていく、という考え方もできます。一方、6試合しかないからトライはもったいないととらえるか。それでもオプションを増やそうとするのか。

 4-3-3は固まってきているけれど、4-2-3-1や3-4-3で戦う時間が長くなると、今度は4-3-3へ戻した際に戦い方が意外と抜けることがあり、改めて確認することが多くなります。それならば、と4-3-3の練度をさらに高めていくことに集中すると、主力の誰かが欠けたときに危うい状態に陥ってしまうかもしれない。

 主戦術とする4-3-3をブラッシュアップしつつ、オプションを増やしていけるか──今後のテストマッチのテーマであり、そのバランスを見出すのは簡単ではありません。森保監督のマネジメントに注目です。

【次ページ】 「三笘薫の使い方」には答えを用意しておきたい

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