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サッカー日本代表PRESSBACK NUMBER
「三笘薫の使い方に答えを」中村憲剛が展望するW杯本大会の“システムと選手選考”「ドラスティックなメンバーの入れ替えは…」
text by
中村憲剛+戸塚啓Kengo Nakamura + Kei Totsuka
photograph byTakuya Sugiyama/JMPA
posted2022/04/01 17:06
アジア最終予選でインパクトを残した三笘薫。W杯本大会では、対戦相手のスカウティングを前提とした起用法が求められる
「三笘薫の使い方」には答えを用意しておきたい
システムを問わずに答えを用意しておきたいのは、三笘の使い方です。
ベトナム戦の三笘は、序盤こそ1対1で勝負できたものの、基本的にはダブルチームで対応されていました。あれだけのインパクトを残した選手ですから、今後も対戦相手は三笘対策を練ってくるでしょう。
三笘と南野はタイプが違うので、攻め筋が変わります。対戦相手からすると、どちらが出てきてもいいように対策を練らないといけない。彼らのようにしっかりとした「個」を持っていると、それだけで相手の対応策が増えます。それは日本にとってのプラス材料です。
ここから求められるのは、相手の対策を前提とした対処法を用意しておくことでしょう。最終予選でもそうした作業をしてきたわけですが、W杯ではより高いレベルの相手と対戦します。この選手を使うならこういう戦い方をする、というものを、W杯仕様へバージョンアップしていく必要があると思います。
「得点を量産しているFW」が機能するとは限らない
最終予選を戦っていくなかで、4-3-3というシステムとメンバーが固まっていきました。SBとCBは先発とバックアップがはっきりしてきた印象ですが、3人で構成する中盤に関して言うと、遠藤、守田、田中に次ぐ選手は誰なのか。
ベトナム戦が代表デビュー戦だった旗手怜央は、所属するセルティックでインサイドハーフを任されています。守田、田中、三笘らは川崎フロンターレ所属時のチームメイトで、4-3-3のシステムで彼らとプレーしていました。吉田麻也、遠藤、久保らとは東京五輪代表のチームメイトです。日本代表にはスムーズに馴染めるでしょう。
さらに言えば、ウイングや左SBにも対応するユーティリティ性もあります。短期集中の国際大会では、複数ポジションを任せられる選手の価値が高まります。ベトナム戦では前半で交代しましたが、もう一度チャンスを与えたい選手と言えるでしょう。
原口元気や柴崎岳はここまでのチームの一体感や空気感を作ってきたベテランですし、前回大会の経験者です。いまの日本代表の中盤のタスクは以前と変わったので、自分の武器をこの形にどうアジャストさせていくかがとても大事になります。