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復帰した名手・福永祐一の“神騎乗”がカフェファラオを覚醒させた…フェブラリーSでソダシ“立派な3着”の最大の要因は? 

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島田明宏

島田明宏Akihiro Shimada

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posted2022/02/21 11:50

復帰した名手・福永祐一の“神騎乗”がカフェファラオを覚醒させた…フェブラリーSでソダシ“立派な3着”の最大の要因は?<Number Web> photograph by Photostud

今年最初のGI・フェブラリーステークスにて連覇を達成したカフェファラオと、ケガから復帰した福永祐一

カフェファラオをエスコートした福永の“神騎乗”

 これで、東京ダート1600mでは4戦4勝。前走のチャンピオンズカップで11着に大敗したのが嘘のような強さだった。この舞台が合っていることに加え、揉まれたり、砂を被ったりして馬が走る気をなくさないよう、スムーズにエスコートした福永の好騎乗が光っていた。

 福永は、昨年12月12日の香港スプリントで落馬負傷し、今月5日に復帰。それから3週目での、嬉しいGI勝利となった。

「まだ復帰していない段階で騎乗依頼をいただきましたから、しっかりとしたいい状態で復帰しなくてはと強く思いました。自分を信頼して依頼をくださった関係者の期待に応えたいという気持ちが強かったので、今日はいい仕事ができたと思います」

 今後は、3月26日のドバイワールドカップ、この勝利で優先出走権を得た11月5日の米国ブリーダーズカップなどが視野に入ってくる。「復権」した王者のさらなる飛躍が楽しみだ。

ソダシが過去2戦から変わった点とは?

 今年のフェブラリーステークスは、雨のため、脚抜きのいい重馬場のコンディションで行われた。水を含んだダートは「高速馬場」になる。メンバー最速の末脚を使ったカフェファラオの上がり3ハロンは34秒3。後ろにいた馬が差し切るには33秒台の脚を使わなければならなかったわけで、ダートでそれを求めるのは酷だ。勝ったカフェファラオと2着のテイエムサウスダン、そこから半馬身差の3着だったソダシは、直線入口で3番手以内にいた。馬場状態と展開がこれら3頭に味方したわけだが、3頭とも積極的に動いて行ったわけだから、追い込みの利きづらい高速馬場を味方にする展開に持ち込んだ、と言うべきだろう。

 ソダシは、向正面で内に切れ込んできたテイエムサウスダンに抜かれたとき、鞍上の吉田隼人が手綱を引いたため、少し首を上げていた。それでも、エキサイトすることも、走る気をなくすこともなく、自身のリズムとポジションを守って走りつづけた。テイエムサウスダンの蹴り上げる砂を被っても、特に気にする素振りは見せなかった。また、直線でカフェファラオにかわされても、最後までレースを捨てず、後続に抜かせなかった。自分からやめたように見えた2走前の秋華賞(10着)や前走のチャンピオンズカップ(12着)とは躍動感が違い、久しぶりに「らしい」走りを見せてくれた。

【次ページ】 ソダシの次の目標はヴィクトリアマイルか

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