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復帰した名手・福永祐一の“神騎乗”がカフェファラオを覚醒させた…フェブラリーSでソダシ“立派な3着”の最大の要因は?
posted2022/02/21 11:50
text by
島田明宏Akihiro Shimada
photograph by
Photostud
この舞台では走りが違う。東京ダート1600mでは負けなしの王者が、圧巻の走りで「復権」した。
今年のJRA・GI初戦となった第39回フェブラリーステークス(2月20日、東京ダート1600m、4歳以上GI)で、福永祐一が騎乗した2番人気カフェファラオ(牡5歳、父アメリカンファラオ、美浦・堀宣行厩舎)が2馬身半差で快勝。レース史上2頭目となる連覇を果たした。
福永「気分を損ねないように…」
サンライズホープがハナに立ち、内からダイワキャグニー、外から吉田隼人が乗る白毛の女王ソダシがつづく。
3枠6番から出た昨年の覇者カフェファラオは、包まれることなく、ソダシから2馬身ほど後ろの好位につけた。これがテン乗りとなった福永はこう振り返る
「レース前に堀調教師と打ち合わせをし、作戦どおりのポジションで行けました。あとは、この馬の気分を損ねないよう注意しながら乗りました。ポジションを取れるか取れないかで馬の気分がある程度変わるのではないかと感じていたので、スタートに気をつけました。スタートはそんなに速くなかったのですが、リカバリーが上手くいきましたし、イメージしていた隊列のなかで、砂を被らない位置で、非常にいい形で進められました」
向正面でテイエムサウスダンが外から進出し、3コーナー手前で先頭を奪い切った。
テイエムサウスダン、サンライズホープ、ソダシ、カフェァラオという並びで、馬群が3コーナーに入って行く。
豪快に抜け出したカフェファラオの圧勝
3、4コーナーで、ソダシが外からサンライズホープをかわして2番手に上がった。
さらに外から来たカフェファラオが抜群の手応えで4コーナーを回り、ソダシに並びかけながら直線へ。
先頭はテイエムサウスダン、1馬身ほど遅れた外の2番手がソダシ。4分の3馬身ほどの差でカフェファラオがつづく。
ラスト400m地点で、カフェファラオは内のソダシと横並びになり、福永が手綱を持ち直して促すとさらに加速。ラスト200m付近で右ステッキのゴーサインを受けるとソダシを置き去りにし、粘るテイエムサウスダンもかわして独走態勢に入る。福永は言う。
「あとは、抜け出して気持ちを切らさないよう、ぼくが遊ばれないように、それだけ気をつけていました」
豪快に抜け出したカフェファラオが、2着のテイエムサウスダンに2馬身半の差をつけてゴールを駆け抜けた。勝ちタイムはコースレコードタイの1分33秒8。2014、15年のコパノリッキー以来、7年ぶり、2頭目となる連覇を果たした。