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《不可解判定に物議》スノーボード竹内智香が北京入り直前に語った“6度目の五輪”への本音…2年半の休養と卵子凍結の決断を経て 

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石井宏美

石井宏美Hiromi Ishii

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photograph byYUTAKA/AFLO SPORT

posted2022/02/09 11:02

《不可解判定に物議》スノーボード竹内智香が北京入り直前に語った“6度目の五輪”への本音…2年半の休養と卵子凍結の決断を経て<Number Web> photograph by YUTAKA/AFLO SPORT

6大会連続での五輪出場を果たした竹内智香。さまざまな選択を経て、再び大舞台に戻ってきた

 北京五輪までは何よりも競技が一番で突き進んできた。1つの大きな目標を終えたとき、再び自らの人生プランについて考えることになるだろう。

「子どもを産むという選択をするときは、本当に心から欲しいと願ったときなんでしょうね。その時は100%の愛情を子どもに注ぎ、自分の時間をすべて捧げると思います。

 甥っ子がいるんですけど、ずっと一緒にいたいと思うくらいかわいいし、なんでもしてあげたくなってしまう(笑)。だから、自分に子どもができたら、子どもにフォーカスするような気がします。その時にしかできないことを一番大切にするんじゃないかなって」

 様々な選択、決断を経て北京五輪のスタート地点に立った竹内は、今、心の底から復帰を決断して良かったと感じている。

「いいときも悪いときもゆとりを持って楽しめるようになりました。4年前はスタートに立つのが怖いとさえ思っていましたし、初めて五輪が憂鬱にも感じるくらいすごく苦しかったんです。もちろん、今も自分が目指しているところに到達しているわけではないのですが、それさえも受け入れる余裕があるというか」

 北京五輪を目前に控えた彼女の言葉の端々からはスノーボードそのものを全身で楽しみ、全力で挑む気持ちが伝わってきた。

「ただ単に“楽しい”とは言っていられないし、言ってはいけないとも思います。でも、やはり原点は好きで始めたスノーボードで、五輪に憧れてそこを目指しました。五輪に辿り着くことは簡単なことではないし、それを勝ち取った自分自身を褒めたい。そこに辿り着いたからこそ楽しむ権利もあるんじゃないかなと思っているんです。

 もちろん、結果を求めますし、結果への責任もあるけれど、それと同じぐらい堂々と楽しむことを大切に。今回は長く競技を続けてきた自分へのご褒美でもあると思うので」

 そんな彼女が描く北京五輪後のストーリーは?

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