「正直、先のことは分からないと思っています。平昌五輪のときも引退すると思っていたのに、こうして競技を続けていますからね（笑）。また、みなさんに（去就について）質問されるでしょうけれど、多分、『生涯現役です！』と答えると思います」

　その“生涯現役”は必ずしも五輪がすべてではないと断言する。国内大会に出場することも、ただ雪上にいることも、彼女にとっては“現役”なのだと。

「1日1日スノーボードを続けた先に、また次のオリンピックがあるのなら、それはそれで素晴らしいこと。でも、たとえそれがなかったとしても、1日1日、積み重ねた先にある4年後が楽しみでワクワクします。

　今、間違いなく言えることは、8～9割でアスリートにフォーカスした生活をしていますが、北京五輪が終わったら一度、その割合は落ちると思います。平昌五輪後のように、またいろいろな活動をしていきたいなって」

2022年北京五輪・竹内智香　©︎Naoya Sanuki/JMPA

　近年は日本人選手のヨーロッパにおける練習環境をオーガナイズしたり、外国人コーチを紹介したり、「100％アスリートではなくなっている」という。競技者以外の広い視野を持ったことで、竹内のベクトルはより様々な方向に向けられている。

　そうした日々の延長戦上に、もしかすると2026年イタリアのミラノ・コルティナダンペッツォ大会、7度目の五輪も見えてくるかもしれない。

　竹内智香はここからまた1日1日を、未来を紡いでいく。

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